平成11年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く目次の階層をすべて閉じる

第1章 特集 インターネット

コラム1 インターネットの歴史

軍事目的から商業利用へと発展したコンピュータネットワーク

 インターネットは世界中のコンピュータネットワークをつなげたグローバルなネットワークである。その起源は1969年に米国国防総省高等研究計画局(ARPA:Advanced Research Project Agency)が軍事目的で開始したARPAnetであるとされ、1986年からNSFnetの運用を開始した全米科学財団(NSF:National Science Foundation)がその後を引き継いだ。我が国におけるインターネットの起源は、1984年に開始されたJUNET(Japan University/Unix NETwork)である。これは東京大学、東京工業大学、慶應義塾大学間で構築された研究用ネットワークであった。その後、1988年から民間企業も参加したWIDE(Widely Integrated Distributed Environment)プロジェクトでネットワーク技術等の実験が行われ、その技術と方式は現在のインターネットへと受け継がれている。
 しかし、政府機関や研究機関によって運営されたこれらのネットワークは私的・商業的な利用を禁じられており、インターネットの商用利用が可能になったのは1990年代に入ってからであった。米国で1990年にインターネットへの加入制限が撤廃されたのがその始まりであり、日本では1993年に商業利用が開始された。これ以降、インターネット利用者が急激に増加していった。
 インターネットが、既存のコンピュータネットワークとは異なり、一般のパソコンユーザにまで急速に普及することになった大きな理由の一つには、1989年に欧州合同原子核研究機関(CERN)(http://www.cern.ch/Public/)で開発が始まったWWW(World Wide Web)と1993年に米国イリノイ大学のNCSA(National Center for Supercomputing Applications)(http://www.ncsa.uiuc.edu/)で開発されたWWWブラウザ「Mosaic」の登場が挙げられる。以前は、インターネット上でやり取りされる情報の多くが文字情報であり、しかもその利用には専門的な知識が必要とされたが、このWWWの登場によりマルチメディアの情報を比較的容易に閲覧・提供できるようになり、パソコンユーザであれば手軽に世界中のデータベースにアクセスできるようになったのである。

B1Z20001.gif


 

(3) 次世代インターネット に戻る コラム 2 インターネット−「ネットワークのネットワーク」− に進む