平成11年版 通信白書

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第2章 情報通信の現況

(3)教育分野

情報通信を活用した遠隔授業が大学において本格化

1)大学における遠隔授業の現状
 情報通信技術の目覚ましい進展は、高等教育の分野において多様な情報通信メディアを利用した取組を可能にした。特に総合大学においては、各地に分散したキャンパスを、衛星通信や光ファイバ等で結び、テレビ会議システムを利用した遠隔授業や、遠隔地の異なる大学間で合同授業等を実施するところが現れてきた。一方、従来、通学制を基本とする高等教育機関においては、通信ネットワークを利用した遠隔授業は授業として想定されておらず、制度の見直しが求められていた。
 こうした動きの中、10年3月には、文部省が大学設置基準を改正し、多様な通信メディアを高度に利用して行う遠隔授業が可能になり、11年3月現在、60単位までが卒業要件として認められている。日本大学では、従来から他学部の科目を履修できる相互履修制度を設けていたが、10年度からは、衛星通信システム及びテレビ会議システムを利用した双方向遠隔授業を開始した。この遠隔授業は、埼玉県所沢市の総合学術情報センターにおいて開講される芸術学部の一般教育科目2科目(前後期各1科目)を、東京都練馬区の芸術学部、静岡県三島市の国際関係学部及び福島県郡山市の工学部( http://www.ce.nihon-u.ac.jp/)キャンパスにおいても履修可能にするもので、取得した単位は所属学部の卒業要件単位として認められている。
2)衛星通信を利用した大学間等ネットワークの現状
 文部省大学共同利用機関メディア教育開発センター(http://www.nime.ac.jp/)では、8年10月から、衛星通信を利用した映像による大学間ネットワークとして、衛星通信大学間ネットワーク構築事業(スペース・コラボレーション・システム事業(SCS))を実施している。このシステムは、衛星通信の広域性、同報性、双方向性を活かし、大学間の相互授業、合同ゼミ、シンポジウム等に衛星通信を利用するためのもので、10年度末現在、全国の国立大学、私立大学、高等専門学校、大学共同利用機関のうち83機関が参加し、VSAT地球局100局が稼働している。10年度における本システムの遠隔共同授業等への利用状況は、818回、1,826時間(12月末現在)に達している。
 このほか、10年度において、文部省、国立教育会館等の国の機関と全国の公民館、図書館、学校等を衛星通信で結ぶ「教育情報衛星通信ネットワーク」を利用して、大学等の公開講座等を全国の公民館等に提供する取組が試行的に開始されており、11年度、本システムが本格稼働する予定である。

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