平成11年版 通信白書

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第2章 情報通信の現況

第11節 海外の動向

1 海外の情報通信
(1)米国

通信法改正や技術革新を契機とした新規参入により競争激化と業界再編が進行

 米国は世界最大の電気通信サービス市場である。その市場規模は着実な拡大傾向をたどっており、1998年における基本音声及びデータサービスの総事業収入は2,336億ドルに達していると推定されている。総従業員数は1993年まで減少していたものの、1994年には1989年当時の水準まで持ち直し、その後も増加傾向をたどっている(図表1))。
 こうした拡大基調の中、米国の電気通信市場では、多数の長距離通信事業者、1,300以上の既存の地域通信事業者、数十の移動体事業者等が激しい競争を展開している(図表2))。
 情報通信分野を戦略産業と位置づけた米国は、1996年に連邦通信法の抜本改正を行い、長距離通信サービス、地域通信サービス及びケーブルテレビサービスの市場相互参入を可能にする法的枠組みを整備した。その後も、通信技術の革新も顕著で、クエストコミュニケーションズ社やレベル3コミュニケーションズ社のように、搬送波の波長を変えて、複数のデータを一芯の光ファイバケーブルに多重するWDM(Wavelength Division Multiplexing)やIP(Internet Protocol)等の最新技術を武器に新規参入する事業者が相次ぎ、競争は激化することとなった。この競争激化に対応するため、既存の事業者を中心として国内で業態の垣根を越えた大型買収の動きが加速しており、今後もしばらく同様の動きは続くものと予想される(図表3))。とりわけ、1998年6月に発表された長距離電話会社のAT&Tとケーブルテレビ会社のTCIの合併は、業態の垣根を越えた大型合併として注目された。一方、地域通信事業者においては同じ業態同士の合併が相次いでいる(図表4))。1998年12月のSBCコミュニケーションズ社とアメリテック社の合併成立によって、連邦通信法の改正以前には7社あったRBOCs(ベル地域持株会社)は4社にまで減少するとともに、1998年7月のベル・アトランティック社のGTE買収が成立すれば、RBOCsと有力独立系地域通信事業者との合併による大型の地域通信事業者が誕生することとなる。

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