平成11年版 通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く目次の階層をすべて閉じる

第3章 情報通信政策の動向

(3)次世代移動通信システム(IMT−2000)の推進

11年3月、IMT−2000の無線伝送方式の基本パラメータ勧告案が決定

 次世代移動通信システム(IMT−2000)は、一つの端末で世界中のどこででも使用することが可能な高速・高品質な移動通信システムである。現在、2001年の実用化に向け、国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union)において無線伝送方式及びネットワーク技術の標準化の作業が進められているところである。
 その中の一つである無線伝送方式の標準化については、各国においてCDMA(符号分割多元接続:Code Division Multiple Access)方式を中心とした検討が進められており、我が国では、欧州とほぼ同様の方式であるW−CDMA方式を提案したのに対し、米国は詳細な技術的パラメータが異なるcdma2000と呼ばれる方式等をITUに対して提案しているところである。ITUでは、各国から提案があった各方式について技術的評価を行ってきたが、1999年3月にブラジルで開催されたITU-R TG8/1会合において、IMT‐2000の無線伝送方式の基本パラメータ勧告案を決定した。勧告案では、各国から提案があった基本パラメータを全て集約した包括的な内容としており、今後、CDMA方式、TDMA方式等を包含した一つの標準の実現に向け、引き続きITU-R TG8/1においてIMT−2000の無線伝送方式の詳細規格勧告案について検討を進めていくこととしている。
 また、ネットワーク技術における標準化の動きとしては、1999年3月開催のITU-T SG11会合において、IMT−2000網のフレームワーク及び機能モデルについて勧告がなされている。今後、引き続きグローバルサービスの実現のために必要な技術について検討を進め、2000年初頭までに標準化作業を終了することとしている。
 なお、我が国における次世代移動通信システムの無線設備の技術的条件については、ITUで決定された基本パラメータ(伝送方式、チップレート等、国内技術基準策定に関連する事項)を基に電気通信技術審議会において審議の上、答申を得る予定である。

B3313001.gif

B3313002.gif

 

(2) 新たな加入者系無線アクセスシステムの導入 に戻る (4) 情報格差是正の推進 に進む