発表日  : 1999年 3月31日(水)

タイトル : 新電線類地中化計画の策定





本日、関係省庁等(郵政省、建設省、通産省、自治省、警察庁、電気通信事業者
協会、電気事業連合会等)からなる「電線類地中化推進検討会議」を開催し、新
時代を迎える電線類地中化のため、別添の「新電線類地中化計画」(以下「新地
中化計画」という。)を策定しました。新地中化計画の中では、下記のとおり、
対象範囲、地中化規模、地中化方式につき、新たな追加が行われました。   
 この新地中化計画は、電線類地中化推進検討会議において取りまとめた「新たな
電線類地中化の推進方針について(平成10年7月30日)」に基づき、検討を進
めてきたものです。
 平成11年度以降、本計画に基づき、新たに中規模程度の商業系地域や、住居系
地域における幹線道路なども対象として、より一層積極的に電線類地中化を推進し
ます。

                  記

1 対象範囲
   ̄ ̄ ̄ ̄
 現行の第三期電線類地中化5箇年計画の範囲(比較的大規模な商業地域、オフィ
ス街、駅周辺地区等)に加え、中規模商業系地域や住居系地域における幹線道路な
               ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
どを追加
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2 地中化規模
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 平成11年度から平成17年度までに3,000km程度の地中化を実施
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
3 地中化方式
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 電線共同溝方式、自治体管路方式及び単独地中化方式によるほか、地域の状況に
                                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
応じて、裏通り配線や引き込み線部分に架空線を併用するなど柔軟な整備手法を新
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
たに採用
 ̄ ̄ ̄ ̄
 なお、具体的な地中化の箇所については、全国10ブロックごとの「電線類地中
化協議会」(地方電気通信監理局、道路管理者、電線管理者、地方自治体等関係者
で構成)において決定されることとなります。

 (同時発表:建設省記者クラブ、通産省記者クラブ)


連絡先:(電気通信事業関係)電気通信局電気通信事業部高度通信網振興課
    電話:03−3504−4838(担当:山田課長補佐、松本係長)
    (有線放送事業関係)放送行政局有線放送課
    電話:03−3504−4937(担当:柴田課長補佐、永利係長)


                                   別添
新電線類地中化計画


平成11年3月

電線類地中化推進検討会議


                目  次


1.はじめに

2.今後の電線類地中化の基本的考え方

3.地中化対象の考え方
 (1) 地中化対象
 (2) 地中化実施箇所の選定

4.地中化の計画期間及び規模

5.地中化の進め方
 (1) 地中化の方式
 (2) 電線共同溝の構造
 (3) 道路新設との一体整備
 (4) 地中化の推進計画の策定及び推進体制

6.費用負担の在り方



1.はじめに
 電線類地中化については、昭和61年度から始まる「電線類地中化計画」(第一
期:昭和61年度〜平成2年度、第二期:平成3年度〜平成6年度、第三期:平成
7年度〜平成10年度)に基づき、関係機関、地域住民等の協力の下に、道路管理
者及び電線管理者等が積極的に推進してきたところであり、その結果、平成10年
度末には全国で約3,400kmの地中化を達成するに至っている。この間、比較的
大規模な商業地域、オフィス街、駅周辺地区など、電力や通信の需要が高く、街並
みが成熟している地域を主たる対象とし、必要な機器を設置できる歩道幅員を有す
る箇所で優先して実施し、これらの地域では電線類の地中化がかなり進展するとと
もに、集客力の向上など地域振興にも寄与してきたところである。

 近年においては、地域活性化や環境改善への要請がさらに強まっているのみなら
ず、良好な生活空間の拡大など、新たな社会ニーズが多様化しており、これらを背
景に、今日、従来の観点からの地中化に加え、中規模商店街や住宅地・景観の優れ
た地域等における電線類の地中化が要請されているところである。

 一方、近年の公共事業の効率化や公共料金の引き下げ、コスト縮減等の強い社会
的要請に対して的確に対応していくことも課題になっている。

 上記のような社会的要請等を背景に、電線類地中化は新時代を迎えようとしてい
る。この計画は、このような時代に対応し、我が国の美しい、良好な生活空間の創
造に資する“新たな”電線類地中化を計画的に推進するために策定したものであ
る。


2.今後の電線類地中化の基本的考え方
 電線類地中化は、安全で快適な通行空間の確保、都市景観の向上、都市災害の防
止、情報通信ネットワークの信頼性の向上、地域活性化等の観点から、道路管理
者、電線管理者及び地元関係者(地方公共団体、地域住民)が三位一体となった密接
な協力の下に、電気事業、電気通信事業等の健全な発展と調和を図りつつ、平成11
年度以降、新たに中規模程度の商業系地域や、住居系地域における幹線道路なども
対象として、より一層積極的に推進していくこととする。


3.地中化対象の考え方
 (1) 地中化対象
   地中化対象としては、比較的大規模な商業地域、オフィス街、駅周辺地区、
  景観の優れた地域などの第三期計画に示す範囲に加え、中規模商店街や、住居
  系地域の幹線道路も対象とする。

 (2) 地中化実施箇所の選定
   箇所選定にあたっては、以下の要件を総合的に勘案し、必要性、整備効果等
  の高い箇所を選定するものとする。

 1)路線要件
  不特定多数の歩行者や自動車の利用頻度の高い、地域の骨格となる幹線道路の
 地中化を重点的に進める。

 2)用途要件
  商業地域、近隣商業地域において地中化を進めるほか、住居系地域において 
 も、地域の幹線道路の地中化を重点的に進める。

 3)関連事業要件
  区画整理、再開発、新設道路やコミュニティゾーンの整備等、他の関連事業と
 あわせた地中化を重点的に進める。

 4)沿道要件
  地域の景観改善への取り組み、電力・通信の需要の観点に配慮する。


4.地中化の計画期間及び規模
 地中化規模は、平成11年度から平成17年度(2005年度)までに、3,000km程度の地中
化を実施することを目標として、地元の協力を得て関係者が努力していくものとす
る。


5.地中化の進め方
 (1) 地中化の方式
  電線類地中化は、道路管理上の要請、電力・通信の安定供給の確保、収容及び
 作業空間の確保の観点からの施工の難易性、支障物件の状況、経済性等を総合的
 に評価し、下記に掲げる方式の中から適切な方式を選定する。その際、関係者が
 協力し、道路管理上の観点から電線共同溝方式を積極的に採用するよう努めるも
 のとする。

 1)電線共同溝方式
  「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」に基づき、道路管理者が電線共同
 溝を整備する方式。
  なお、地方自治体が管理する道路においては、道路管理者が補助事業又は地方
 単独事業として電線共同溝の整備を行うもののほか、道路管理者以外の地方自治
 体が地方単独事業として、道路法第24条に基づく工事により電線共同溝を整備
 し、道路管理者が管理するものがある。

 2)自治体管路方式
  地方自治体が管路設備を整備する方式。

 3)単独地中化方式
  電線管理者が単独で実施する方式

  なお、電線類地中化を推進する上で必要な場合には、地域の状況に応じて、下
 記のような柔軟な整備手法も採用する。

 1) 区画整理事業や宅地開発事業などにおいて、まちづくりの計画段階から共同し
  て検討を行い、主要な道路等においては、裏通りからの配線などにより、当初
  から電線や電柱がない環境を実現する手法。

 2) 需要の不安定な地域において、将来の需要の変動に対応するため、民地内等の
  引込部分を架空で配線するなどの手法。

 (2) 電線共同溝の構造
  本計画では、コスト縮減を図るとともに、歩道幅員の狭い道路における整備に
 対応していくため、新技術の導入などにより、コンパクト化等を実現した新たな
 電線共同溝の構造を採用する。

 (3) 道路新設との一体整備
  3.の地中化対象において、バイパス、拡幅、再開発など、道路の新設整備が
 実施される際に一体的に実施する地中化は、土工費用や既設埋設物の移設費用の
 節減など費用の点でも有利であるのみならず、計画的に、かつ着実に電線類地中
 化を進めていく上で、有効な方法である。
  上記の点に鑑み、本計画では、関係者の協力の下、都市計画等を踏まえ、段階
 的な整備手法も考慮しながら、道路新設と一体的な電線類地中化の実施を、積極
 的に図ることとする。

 (4) 地中化の推進計画の策定及び推進体制
  全国10ブロックごとの、道路管理者、電線管理者、地方自治体等関係者からな
 る電線類地中化協議会において、構成員の意見を十分反映した協議により、地中
 化の実施箇所、地中化方式等をまとめた推進計画を策定して、計画的に進めるも
 のとする。その際、円滑で効果的な地中化の事業実施に資するため、都道府県単
 位などの地方部会の意見を反映することとする。また、電線類地中化協議会にお
 いて、適宜、当該ブロックの進捗状況を把握するものとする。
  さらに、具体の地中化箇所における事業実施に関して、道路管理者、電線管理
 者等の関係者に地元関係者も加えた連絡会議を設置するなど、公共用地の活用も
 含めた電力・通信の地上機器設置場所の確保や工事昼間施工の協議などにおい 
 て、事業の円滑な推進が図られるようにするものとする。


6.費用負担の在り方
  電線類地中化に伴う費用については、以下のとおり、道路管理者、電線管理 
 者、地方自治体、地元等で負担するものとする。なお、民地部分の引込設備につ
 いては、地元負担とする。

 1)電線共同溝方式
  「電線共同溝の整備等に関する特別措置法」に基づき道路管理者及び電線管理
 者が負担する。

 2)自治体管路方式
  管路設備の材料費及び敷設費を地方自治体が負担し、残りを電線管理者が負担
 する。

 3)単独地中化方式
  全額電線管理者が負担する。
 
  その他、電線類地中化協議会において優先度が低いとされた箇所において地中
 化を実施する場合は、原則として全額要請者が負担する。



                                   参考

             電線類地中化推進検討会議
                構成メンバー


松 本 治 男   警察庁 交通局 交通規制課長

薦 田 康 久  通商産業省 資源エネルギー庁 公益事業部 電力技術課長

河 内 正 孝  郵政省 電気通信局 電気通信事業部 
         電気通信技術システム課長

久保田 誠 之  郵政省 電気通信局 電気通信事業部 高度通信網振興課長

吉 崎 正 弘  郵政省 放送行政局 有線放送課長

奥 野 晴 彦  建設省 都市局 街路課長

榊   正 剛  建設省 道路局 路政課長

村 上 純 一  建設省 道路局 道路環境課長

原 田 邦 彦  建設省 道路局 国道課長

椎 川  忍   自治省 財政局 調整室長


寺 本  嵩   電気事業連合会 業務部長

真 部 利 應  電気事業連合会 工務部長

岡   圭 介  東京電力(株) 配電部長

松 本  翼   関西電力(株)お客さま本部 ネットワーク技術部長(副支配人)

鈴 木 雅 夫  日本電信電話(株)NTT持株会社移行本部第二部門 担当部長

橋 本 芳 雄  日本電信電話(株)NTT東日本会社移行本部設備部 担当部長

井 上 和 幸  日本電信電話(株)NTT西日本会社移行本部設備部 担当部長

宮 原 英 明  (社)電気通信事業者協会 専務理事

長谷川 大 二  (社)日本ケーブルテレビ連盟 常務理事