平成13年版 情報通信白書

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第1章 特集 加速するIT革命

5 IPv6への取組

インターネットの普及・高度利用にともなう接続端末の拡大・多様化に対応

 「IPv6」(Internet Protocol version 6)は、現在利用されている「IPv4」に代わるインターネット・プロトコル(通信規約)である。インターネット・プロトコルはインターネット上で複数のコンピュータが情報のやり取りを行う際の手順として取り決められているものであるが、これにはインターネットに接続された各種のコンピュータ等の識別を行うための数字列である「IPアドレス」に関する規定が含まれている。現在のIPv4では、最大で32ビット(232個(=約43億個))までのネットワーク機器に固有のIPアドレスを付与することが可能であるが、IPv6はアドレス空間が128ビット(2128個(=約3.4×1038個))へ、飛躍的に拡大することなどの特徴を有する(図表1))。IPv6の標準仕様は平成6年12月にまとめられ、平成8年以降、IPv6の実証実験が世界規模で推進されており、日本でも同年6月よりWIDEプロジェクトにより検証が進められている。
 IPv6は、当初インターネットの予想以上の普及にともなうIPアドレスの枯渇を危惧して始められた取組であったが、現在のIP(IPv4)における機能拡張の成果を随所に盛り込んだことにより、今やインターネット全体の可能性を拡大する技術として期待されている。今後、インターネットがより高度に利用されていくのにともなって、インターネット接続機器が多様化し、多種多様な場面で利用されることとなることが予想されているが(第1章第1節6参照)、それら全ての接続端末に固有のIPアドレスを割り当てることも可能となり、インターネットの利用範囲を拡大する技術として注目されている。
 1999年後半には、全世界でIPv6アドレスの正式割り当てが開始されており、2001年3月現在、全世界で既に割り当てられているIPv6のsub-TLA(注)は69件であり、うち日本に割り振られているものは14件と最も多くなっている。現在、IPv6の普及に向けて、端末側ではUNIX系のOSに加えWindows 2000やLinux等がIPv6に対応、各種ルータやブラウザソフトも順次対応製品が発表されている。また、総務省でも研究開発用ギガビットネットワークにおいて、IPv6による接続実験を平成13年9月から実施する予定であり、一部ISPでの接続実験も行われている。

図表1) IPv4からの主な改善点
IPv4からの主な改善点
図表2) IPv4からIPv6へ(イメージ図)
IPv4から IPv6へ(イメージ図)


(注)sub-TLA(sub-Top Level Aggregation)とは、IPv6アドレスの最も大きな割り振り単位のこと。インターネットの基幹を構成するネットワークに割り振られる。

 


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