10 諸外国の動向 我が国と同様に、各国においてもIT戦略は重要な政策の機軸に 1)各国におけるブロードバンド・アクセス・ネットワークの普及動向  先進国における一般世帯へのブロードバンド・アクセス・インターネットの普及状況をみると以下のとおりである(図表1))。  インターネット普及が進む米国においては、ケーブルインターネットの利用契約数がすでに224万契約を超えており、ケーブルテレビネットワークを活用したケーブルインターネットを中心としてブロードバンド化が進行している。これは、従来よりテレビ視聴目的でのケーブルテレビインフラの整備が進んでいたことに起因する。  アジアにおいては、全体的にあまり普及が進んでいるとはいえない状況であるが、韓国については特筆すべき状況となっている。韓国では、1997年の通貨危機以降、国として積極的にITを推し進めており、現在DSL利用契約数は254万契約を超え、ケーブルインターネットについても132万人弱の利用者が存在する。  他方、ヨーロッパにおけるブロードバンドの普及状況は、フランスではケーブルインターネットが10万契約、ドイツ、イギリスではDSLがそれぞれ30万契約、3.3万契約となっている。  なお、我が国では、世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成を目指し、「e-Japan重点計画」において2005年度までに超高速インターネット(FTTH等)を1,000万世帯で、高速インターネット(DSL、ケーブルインターネット、FWA等)を3,000万世帯で利用可能とすることを目標として、現在、様々な施策を展開しているところである。 2)各国におけるIT推進に係る国家戦略策定の動向  我が国では平成13年1月に「e−Japan戦略」が、3月には「e-Japan重点計画」が、それぞれ策定されたが、諸外国においても同様の国家戦略が策定されている。米国の「IT2(Information Technology for the 21st century)」(1999年1月)では、社会経済の発展の原動力たる世界最先端のIT開発の実施を盛り込んでいる。韓国の「CYBER KOREA 21」(1999年4月)では、情報通信インフラ整備と技術開発等により、2002年には世界で10位圏の情報化先進国になることを目標としている。  また、EUにおけるインターネットの導入に係る障害の克服と新たな経済への移行を確実にするための戦略を提示した「eEurope 2002」(2000年6月行動計画)や、ASEAN諸国のIT分野における競争力の強化を図る「e-ASEAN構想」(1999年11月e-ASEANタスクフォース発足)等、地域的なIT戦略を策定する動きも見られる。 3)各国・地域におけるデジタル放送への取組  デジタル放送について、各国・地域の放送開始状況は図表3)のとおりである。 図表1) 各国のブロードバンド・アクセス・ネットワーク普及状況 図表2) 諸外国のITに関する国家プロジェクト 図表3) 主要国・地域におけるデジタル放送の開始状況