平成14年版 情報通信白書

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第1章 特集 IT活用型社会の胎動

(5)eラーニング市場

−時間・場所の自由度、双方向性が特長、今後の発展が期待

 eラーニングは、ネットワークを活用した遠隔教育である。従来の集合研修と比べ、決まった時間や場所に集まる必要がないため、利用者の移動に必要な費用削減や時間短縮ができるほか、個人の進展度に合わせた学習が可能である。また、通信教育と比べ、即時性、双方向性に優れていることに加え、音声・映像等を利用した学習が可能であるという特長を有しており、生涯学習の進展等を背景に、インターネットビジネスの中でも今後進展が期待されている分野である。さらに、ブロードバンドの普及等情報通信インフラが整備されつつあるなど、eラーニングにとって重要な教育の「場」である家庭において通信利用環境が向上していることも、今後の市場拡大に寄与していくものと考えられる。
 他方、教育の内容(コンテンツ)については、現在は書籍の教材を元にして加工・制作したものをデジタル化し、ネットワークで流通したものが多く見られるが、今後、画像や音声を利用しつつ、即時性、双方向性といったeラーニングの特長を活かした教材の開発が期待されるところである。
 平成13(2001)年度におけるeラーニング市場(注)は290.0億円と推計され、平成18(2006)年度には、1,984.6億円と、約7倍に増加すると予想されている(図表)。
 内訳をみると、平成13(2001)年度は、学校教育市場が20.6億円、企業内教育市場が82.9億円、生涯教育市場が186.5億円となっている。各市場の構成比をみると、生涯教育市場が64.3%と全体の3分の2を占めている。企業内教育市場については、立ち上がりが早く市場形成の牽引役であるといえるが、これはeラーニング実施の前提である通信インフラについて、比較的環境が整っていると考えられる企業から導入されると予想されることによる。学校教育市場については、現時点ではシェアが小さいものの、平成18(2006)年度には4割ものシェアを占めるなど、市場が大きく拡大することが予想される。
 生涯教育市場についても、順調に市場が拡大するものと予想される。

 
図表 eラーニング市場規模予測
図表 eラーニング市場規模予測
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(注)ここではeラーニングを、代表的な運営形態である「インターネット(ここでは、TCP/IPプロトコルを活用したネットワーク通信の意味)を活用したネットワーク通信を使用するウェブベースのシステムを中心的に使用した教育/学習システム(WBT:WebBased Training )」と定義している。広義には、CD-ROM等を活用するもの(CBT:Computer Based Training)やテレビ、ラジオ、通信衛星、携帯電話等を活用するものを含む場合がある。なお、推計方法については、資料編1-2-10を参照

 

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