平成14年版 情報通信白書

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第1章 特集 IT活用型社会の胎動

(4)集積する情報通信ベンチャー企業

−インキュベーション施設を中心に集積する情報通信ベンチャー企業

 資金調達や販売・マーケティング等の課題を克服した情報通信ベンチャー企業が、一層の事業拡大を図るためには、独自技術や新たなビジネスモデルの開発等、競争力を強化することが重要であると考えられる。「ITと企業行動に関する調査」によれば、情報通信ベンチャー企業は、「他企業との提携」により競争力を付けていくとする割合が非情報通信ベンチャー企業より高く、企業間のネットワークを活用する傾向が強いと考えられる(図表1))。実際、全国各地には情報通信ベンチャー企業を中心にベンチャー企業が続々と集積しており、これらの集積地の多くはネットワーク機能を提供するインキュベーション施設を核として発展している(図表2))。


事例:京都リサーチパーク
 民間インキュベータである京都リサーチパークは、ベンチャー企業の支援・育成を行う新規産業創出拠点として、平成元年にインキュベーション施設「京都リサーチパーク」を開設している。京都リサーチパークでは数度にわたり施設の拡充が行われており、平成14年3月末現在、敷地5.1ヘクタール、床面積11万4,000平方メートルのパーク内には、176の企業等が入居し、うち約4割が情報通信ベンチャー企業となっている。また、敷地内にはビル間を接続する光ファイバ網が整備されており、ギガビット級のデータ通信が可能となっている。さらに構内にインターネット・エクスチェンジ(IX)が設置されるなど高度なインターネット利用環境が整備されている。平成13年7月には、高速通信用機器が24時間稼働するデータセンタも開設されている。そのほか、研究会、フォーラムやセミナー、TLO等、企業のニーズ・技術と大学のシーズ・知識の融合によって新しい技術・商品を生み出すために、産業界と大学・研究機関とを結びつける様々な活動を実施している。また、パーク内には京都府及び京都市の産業振興支援機関も集積しており、各機関の専門家とアドバイザーによるきめ細かな支援を受けることも可能である。
 さらに、横須賀リサーチパーク、大垣市ソフトピアジャパンと、地域を越えた連携プロジェクトを展開することで合意している。

 
図表1)競争力強化策(複数回答)
図表1)競争力強化策(複数回答)
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図表2)日本の主な情報通信ベンチャー企業集積地とインキュベーション施設
図表2)日本の主な情報通信ベンチャー企業集積地とインキュベーション施設

 

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