平成14年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

2 非対称規制の整備

−市場支配的事業者と新規参入事業者の間における公平な競争を確保

 技術革新のテンポが速い電気通信分野においては、事業者が自由な事業展開ができるように、市場の変化に伴い競争を阻害するような規制を見直し、もしくは廃止することによって競争を活性化させることが必要となっている。
 しかしながら、他方では、我が国の電気通信市場は独占市場から競争市場へ移行しつつある過渡的状況にあるため、市場シェアが大きい等の条件を有する電気通信事業者(市場支配的事業者)が、市場における料金その他の提供条件の決定や、電気通信事業者間の競争関係に著しく影響を及ぼす可能性があり、これらの市場支配的事業者と新規参入事業者との間において、接続や営業活動を巡る紛争が増大しつつある状況となっている。
 さらに、国際的にも、1)WTO基本合意(平成10年2月発効)においては、主要なサービス提供者による反競争的行為の防止や相互接続に関する要件が規定されており、2)欧米諸国においても市場支配的事業者に関する規制制度の整備が進んでいる等の状況にある。
 このため、全体としては極力規制を緩和することには努めながらも、我が国においても公正な競争や利用者利益を確保することが必要となってきている。そこで、電気通信事業が国民生活及び社会経済活動の基盤として高い公共性を有することにかんがみ、従前のボトルネック設備に着目した規制に加え、一定の市場において市場支配力の濫用を継続的に防止、除去するための必要最小限のルールを導入することを目的として、第151回通常国会に「電気通信事業法等の一部を改正する法律案」を提出した。同法案は、平成13年6月15日に成立、同年11月30日より施行した。また、施行にあわせて、移動体通信市場において市場支配力を有する電気通信事業者の指定の基準となる同一業務区域内の収益のシェアを4分の1を超える場合とすることを規定する等、所要の政省令の整備を行った。

 
図表 非対称規制の整備の概要
図表 非対称規制の整備の概要
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