平成14年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

3 電気通信事業紛争処理委員会の創設

−電気通信事業者間における紛争処理機能の強化

 電気通信分野においては、1)事業者数の増大とサービスの高度化・多様化に伴い、電気通信事業者間のネットワーク接続等を巡る複雑な紛争事案が生じてきており、2)行政の在り方が、事前規制からルール型行政へ移行する中で、電気通信事業者間等の紛争事案が今後大きく増加する可能性が高い、などの事情を背景に、複雑化・増大化する紛争事案を迅速かつ効率的に処理できるよう紛争処理機能の強化を図ることが求められている。
 このような状況を受けて、電気通信事業分野における紛争処理システムの強化を図る観点から、「電気通信事業法等の一部を改正する法律案」を第151回通常国会に提出、平成13年6月に成立、同年11月に施行された。これにより、次のような制度改革が行われ、電気通信事業紛争処理委員会が創設された(http://www.soumu.go.jp/hunso-shori.htm)。

1) 紛争処理手続の整備強化のために、卸電気通信役務の提供に関する命令・裁定、契約約款の変更の命令、市場支配力を有する事業者の禁止行為に係る停止・変更命令、第二種指定電気通信設備との接続に関する接続約款の変更の命令等を創設し、また、広範な事案に対する簡易で迅速な紛争処理手続として斡旋及び仲裁の手続を創設した。

2) 「電気通信事業紛争処理委員会」を行政の許認可部門から独立した組織として創設し、専担の事務局を設けて、斡旋及び仲裁手続を自ら行い、又は、総務大臣の命令及び裁定等について諮問を受けて審議・答申を行うことを委員会の主要な任務とする一方で、その権限に属せられた事項に関し、ルール整備等について総務大臣に必要な勧告を行う権限を付与した(図表1))。

 電気通信事業紛争処理委員会は、平成13年11月30日の発足から14年5月10日までに10件の事案を処理するとともに、総務大臣への勧告を1件行っている。処理済事案のうち9件は斡旋申請に係るもので、8件が解決、1件が斡旋打切りという状況である(残りの1件は業務改善命令に係る諮問・答申)(図表2))。

 
図表1) 電気通信事業紛争処理委員会の機能
図表1) 電気通信事業紛争処理委員会の機能

 
図表2) 電気通信事業紛争処理委員会による紛争処理状況(平成13年11月30日〜14年5月10日)
図表2) 電気通信事業紛争処理委員会による紛争処理状況(平成13年11月30日〜14年5月10日)
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最新のデータは電気通信事業紛争処理委員会による紛争処理状況から入手可能です。


 
参考:電気通信事業紛争処理委員会
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