平成14年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(6)無線アクセスシステムの高度化

−高速で快適な無線インターネット環境の実現

 平成13年3月に決定されたe-Japan重点計画においては、「ネットワーク利用の利便性・容易性の向上を図るために、多種多様な無線通信サービスを利用者が意識することなく柔軟に選択して利用するための技術を2005年までに実用化する。」としており、現在、新たな電波利用システムの開発・導入の促進について期待が高まっているところである。
 無線LAN・アクセスシステム等の移動通信システムについて、特に2.4GHz、5.2GHz及び25GHzの周波数帯については家庭やオフィスのネットワーク向けとして、実用化及び普及が大いに期待されている(図表1))。
 2.4GHz帯については現状の無線LAN等の一層の高度化のため、25GHz帯についてはより高速な無線LAN等を導入するために、それぞれ平成13年9月の情報通信審議会からの答申を踏まえ、関係省令の改正案を電波監理審議会に諮問し、14年1月に答申を得、同年2月に施行したところである。具体的には、2.4GHz帯については小電力データ通信システム(無線LAN)の高速化、同空中線利得条件の緩和等について、25GHz帯については5.2GHz帯のシステムを拡張することで屋外でも100Mbps以上の高速通信が可能なシステムを導入するための改正である。これにより更なる高速通信、混信の回避、通信距離の延伸が可能となる。
 現在、駅やコーヒーショップなど人が多く集まるホットスポットと呼ばれる空間において、既に高速の無線インターネットの利用が可能なサービスが開始されているが、今後一層通信速度が高速で快適なインターネット環境の実現が期待される。このため、総務省では、屋外でも利用できる5GHz帯無線アクセスシステムの周波数を確保するため、平成14年度中に省令改正を予定している。
 また、住宅、マンションなど各家庭でのインターネットアクセスの手段、アクセスポイントへの中継用回線、家庭内情報家電やパソコン等の相互接続手段、オフィス内のネットワーク構築についても一層の発展に寄与するものと期待されている。
 22/26/38GHz帯の加入者系無線アクセスシステムは、オフィスや一般世帯と電気通信事業者の交換局や中継系回線との間を直接接続して利用する無線システムであり、地域通信市場の競争促進、インターネットの利用拡大等大容量通信ニーズへの対応という点で展開が期待されている。電気通信事業者側の基地局と複数の利用者側の加入者局とを結ぶ1対多方向型(P-MP:Point to Multipoint)と、電気通信事業者側と利用者側とを1対1で結ぶ対向型(P-P:Point to Point)がある(図表2))。

 
図表1) 無線アクセスシステム
図表1) 無線アクセスシステム
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図表2) 無線アクセスシステムの活用例
図表2) 無線アクセスシステムの活用例

 

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