平成14年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

2 行政手続のオンライン化と公的認証基盤の整備

(1)政府における制度・認証基盤の整備

−電子政府における政府認証のシステム化を推進

 e-Japan重点計画では、電子政府の実現をその大きな柱の一つに据え、国民、企業が、様々な行政情報へアクセスできること、申請・届出等手続をインターネット等により簡易に行えることなどを通じて、平成15年度までに電子情報を紙情報と同等に扱う行政を実現することを目標に掲げている。
 そこで総務省では、申請、届出等に限らず法令に基づく行政手続について、書面による手続に加え、原則としてすべてオンラインによる手続も可能とするために必要な事項を定めることにより、国民の利便性の向上、行政運営の簡素化及び効率化に資することを目的とする「行政手続等における情報通信の技術の利用に関する法律案」を国会に提出する予定である。
 しかしながら、申請・届出等手続などにおける国民等と行政機関との間の情報のやり取りをオンライン化、つまりインターネット等のネットワークを利用して文書のやり取りを行うに当たっては、従来の書面を前提とした制度・仕組とは異なった観点からの検討・解決を要する課題がある。
 具体的には、例えば、国民等から行政に対する申請・届出等や行政から国民等に対する結果の通知等は、一般に、署名又は記名押印した書面により行われていた。ところが、これをインターネット等により行う場合、何らの措置も講じなければ、申請・届出や許可・認可等の通知といった情報が本当にその名義人(申請者や行政機関)によって作成されたものであるかどうか(誰かが名義人になりすましているのではないか)、あるいは、内容が改ざんされていないか、といったことが確認できない恐れがある。
 申請・届出等手続のオンライン化のためには、これらの確認が行える仕組(認証基盤)が必要であることから、政府側の認証の仕組(政府認証基盤(GPKI:Government Public Key Infrastructure))について、総務省において、関係府省との連携を図りつつ検討を行った。その結果、各府省においては、その処分権者の官職を認証する唯一のシステムとして府省認証局をそれぞれ構築し、総務省においては、それら府省認証局と、申請者を認証する民間認証局等との相互認証を簡素化し、申請者が行政機関からの許可・認可等の通知の検証を効率的に行えるようにするためのブリッジ認証局を構築することとなった。府省認証局と民間認証局等との間の相互認証を仲介するブリッジ認証局が、各府省認証局が発行する官職証明書等を申請者に対して一元的に提供するとともに、申請・届出に添付された申請者証明書の有効性検証のための機能を各府省に対して提供することにより、申請者の利便性の向上と政府認証基盤全体の効率的な構築・運用が可能なものとなっている(図表)。
 ブリッジ認証局並びに総務省、経済産業省及び国土交通省の認証局については、平成13年度から既に運用を開始している。また、平成14年度内には、防衛庁、金融庁、厚生労働省及び農林水産省においても認証局の運用を行う予定であり、他のすべての府省においても認証局を整備することとなっている。

 
図表 政府認証基盤のイメージ
図表 政府認証基盤のイメージ

 
参考:政府認証基盤(GPKI)
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