(4)主婦・高齢者のインターネット活用に向けて −インターネットの潜在的利用者は、主婦の約5割、高齢者の4割弱  「平成13年版情報通信白書」等からも分かるように、「主婦」及び「高齢者」は、「学生」、「勤務者」等の他の属性と比べ、インターネット利用率が低い傾向にある。今後、我が国のインターネット利用における格差を是正するためには、主婦及び高齢者のインターネット未利用者の利用を促進することが重要な課題となっている。  そこで、インターネット未利用者である主婦及び高齢者に対するアンケート調査の結果を基に、主婦及び高齢者がインターネットを利用しない要因等を明らかにするとともに、インターネット未利用の主婦・高齢者のうち、どのくらいの割合の人が、今後、インターネットを利用し始める可能性があるのか、また、利用する条件は何かなどを明らかにする。 (1)「主婦」及び「高齢者」のインターネット利用に対する意識  インターネット未利用者の主婦及び高齢者において、インターネット利用の「必要性」を感じ、かつ、インターネットを「利用したい」と考えている「主婦」は5割強、「高齢者」は4割弱に上り、環境整備等により、今後、当該属性におけるインターネットの利用は進展していく可能性があることがうかがえる。なお、高齢者の未利用者においては、インターネット利用の「必要性」を感じることがなく、かつ、インターネットを「利用したい」とも思わない人の率が約5割と高い傾向にある(図表1))。 (2)インターネット潜在的利用層におけるインターネット利用の開始条件  インターネット潜在的利用層の中で、主婦がイン  ターネット利用を開始する条件として最も重視しているのは、「インターネット利用料金がもっと安くなること」(27.2%)で、具体的には、「月額2千円未満であること」を最も要望している(図表2)、3))。次に、「近くに教えてくれる人がいること」(18.2%)で、具体的には、「無料の講習会」、「家族のアドバイス」、「教えてくれる仲間」を要望している。続いて、「パソコン端末の価格がもっと安くなること」(16.9%)、「もっと入力が簡単になること」(10.9%)、「一緒に始める仲間がいること」(9.8%)が挙げられている。  また、インターネット潜在的利用層の中で、高齢者がインターネット利用を開始する条件として最も重視しているのは、「近くに教えてくれる人がいること」(18.5%)で、具体的には、「無料の講習会」が期待されている。次に、「インターネット利用料金がもっと安くなること」(17.8%)で「月額2千円を要望している。続いて、「パソコン端末の価格がもっと安くなること」(15.8%)、「もっと入力が簡単になること」(15.5%)、「趣味で必要となること」(14.9%)が挙げられている。  このように、主婦においては経済的な条件が、高齢者においては指導者の存在や趣味での必要性が重視されている点に特徴があるといえるが、ともにパソコン端末やインターネット料金の一層の低廉化と並んで「無料の講習会」や「音声入力」への希望が高く、1-4-2-(4)でみたIT講習会等に対する期待は引き続き高いものと考えられる。 図表1) 「主婦」及び「高齢者」のインターネット利用に対する意識 図表2) インターネット潜在的利用層のインターネット開始条件 図表3) インターネット潜在的利用層が開始条件として望むもの