5 電気通信事業分野におけるブロードバンド時代の競争環境整備の在り方 −IP時代におけるレイヤーに着目した公正競争環境の整備  近年急速にブロードバンド化が進展する中、電気通信事業分野における競争環境整備の在り方についても、従来のネットワークレイヤーのみに着目するのではなく、端末、ネットワーク、プラットフォーム、コンテンツ・アプリケーションの各レイヤーを縦断する垂直統合型のビジネスモデルや、各レイヤーで新たに登場するビジネスモデルに対応した新たな公正競争環境整備が求められている(図表1))。  このため、総務省では平成13年8月より「情報通信新時代のビジネスモデルと競争環境整備の在り方に関する研究会」を開催し、平成14年1月、中間報告を取りまとめた(図表2))。本中間報告における主な提言内容は以下のとおり。 (1)コンテンツの配信から流通に至る各事業領域(レイヤー)を一貫サービスとして提供するビジネスモデル、特に一社単独による「垂直統合型」のビジネスモデルに関する公正競争確保策 (2)各レイヤーにおいて、新たなビジネスモデルの登場を促すための新たな競争ルールの整備(MVNO(Mobile Virtual Network Operator)の事業参入の促進等) (3)一種・二種の事業区分について、規制水準の全般的な低下を図るとともに、予見性の高い簡素かつ明確な仕組とするための見直しの方向性  本研究会では、引き続き「フルIP」時代の競争環境整備の在り方等について検討を進めていくこととしており、平成14年6月には最終報告書が取りまとめられる予定となっている。 図表1) 情報通信新時代のビジネスモデルと競争環境整備の在り方(イメージ) 図表2) 「情報通信新時代のビジネスモデルと競争環境整備の在り方に関する研究会」中間報告概要