(2)住民基本台帳ネットワークシステムの構築の推進 −住民サービスの向上や行政の合理化を促進  住民基本台帳は、現在、市町村が行う各種行政サービスの基礎として、行政の合理化や住民の利便の増進に役立っているところである。一方、情報通信ネットワーク社会の急速な進展の中で、住民負担の軽減や住民サービスの向上、国・地方を通じた行政改革等を更に推進するためには、行政の情報化が必要不可欠である。  このため、平成11年に公布された「住民基本台帳法の一部を改正する法律」に基づき、住民の利便を増進するとともに国及び地方公共団体の行政の合理化に資することを目的として、住民票の記載事項として新たに加えられた住民票コードを基に、市町村の区域を越えた住民基本台帳に関する事務の処理や行政機関等(国・地方公共団体等)に対する本人確認情報の提供を行うための仕組として「住民基本台帳ネットワークシステム」を構築することとしている。行政機関等への本人確認情報の提供等住民基本台帳ネットワークシステムの基本的部分については平成14年8月5日から開始され、住民票の写しの広域交付、転入転出特例、住民基本台帳カードの交付等については、平成15年8月に開始することを予定している。  また、住民基本台帳ネットワークシステムでは、個人情報保護が重要な課題であり、制度面、技術面、運用面のいずれの面においても、万全の対策を講じることとしている。  なお、本システムでは、市町村長は、希望者に対してICカードによる住民基本台帳カードを交付することとしているが、条例で定めるところにより、ICカードの高いセキュリティ機能と各種情報処理機能を利用して、独自の住民サービスの提供にも利用できるため、各市町村においては、地方公共団体による公的個人認証サービス、印鑑登録証明、公共施設の利用、保健・福祉等の多様な分野での活用が可能となってくる。また、行政手続のオンライン化に伴い、住民票の写しの添付等の省略等を可能とするため行政機関等へ本人確認情報を提供すること、地方公共団体による公的個人認証サービスに対して異動等失効情報を提供すること等により、電子政府・電子自治体の構築に当たって、更にその役割が増しているところである。  総務省においては、都道府県、市町村等との連絡調整を図りつつ、地方公共団体における本システムの円滑かつ着実な構築を支援することとしている。 図表 住民基本台帳ネットワークシステムのイメージ