10 スーパーインターネットの実現に向けた取組 −2010年までに現在の約3万倍以上の規模の接続端末に対応する技術を実現  急速に普及しつつあるインターネットは社会において極めて重要な役割を果たしつつあるが、今後は従来のパソコンや携帯電話ばかりでなく、テレビやオーディオ機器等にインターネット接続機能が付加され、簡単な接続・複数機器間の情報共有が可能となる「情報家電」の進展が、更には身の回りのあらゆる機器がインターネットに接続される「スーパーインターネット」の実現が期待されている(図表1))。総務省では、情報家電とインターネットの活用により多様なコンテンツの円滑な流通を実現するための基盤技術の確立や、あらゆる電子機器にインターネット接続機能を持たせてすべての国民が「いつでも」「どこでも」様々なインターネット・サービスを受けることが可能となることを目指し、以下の研究開発に取り組んでいるところである。 (1)情報家電インターネットに関する研究開発(情報家電IPv6化に関する総合的な研究開発)  現段階における情報家電は、デジタルカメラやデジタルテレビなど簡易な操作と安定性を保ちつつ、情報をデジタル化して収集、記録、表示する機能を有するものがほとんどである。これらは簡単なインターフェースを有する一方で、汎用的な機能を備えるパソコンと異なり機能が一定範囲に限定されるため、ネットワークやサービスの発展に柔軟に対応することは困難であった。今後、情報家電インターネット技術によりこれらの家電をネットワークに接続し、ユーザの状況に応じて適切なサービスをダウンロードすることにより、柔軟な機能・サービスの追加が容易となる(図表2))。 (2)スーパーインターネットに関する研究開発  身の回りのあらゆる電子機器が有線・無線を問わずにインターネットに接続されるという超高密度なインターネット利用環境下では、現在の約3万倍以上の規模のインターネット接続が実現する一方で、これらの機器相互の連携等を可能とするための技術などの確立が不可欠となる(図表3))。  平成13年度においては、端末が移動する環境下(携帯電話、PDA等)におけるIPv6インターネット接続機能、セキュリティ保護機能と認証機能、ハンドオーバー機能を有し、モバイル環境においても、IPv6インターネットを利用したサービスを実現するシステム要素を開発するなど、高速移動通信環境下において、安全性と品質を保ったIP通信を実現する「モバイルIPv6」に関する研究開発を行ってきた。  また、膨大なコンピューティング資源やコンテンツ資源がネットワーク接続された世界では、ユーザーがこれらの資源に、位置や時間に依存せず自在にアクセスでき、周辺環境やネットワーク状況・環境に応じた適切なサービスを享受可能とする情報基盤の構築が望まれており、本情報基盤を実現するためのネットワークプラットフォーム技術の研究開発を行ってきた。 図表1) インターネットの発展 図表2) 情報家電インターネット 図表3) スーパーインターネットに関する研究開発