平成15年版 情報通信白書

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第1章 特集「日本発の新IT社会を目指して」

第4節 デジタルネットワーク文化の発展とコンテンツの流通

第4節の要旨
 デジタルアーカイブの整備等により、デジタル化されたコンテンツがネットワークを通じて流通するデジタルネットワーク文化が広がりつつある。また、インターネット上のコンテンツ量も着実に増加している。しかしながら、有料のインターネットコンテンツの利用者は一部に限られ、市場規模も小さい。今後インターネットコンテンツビジネスが立ち上がっていくために取り組むべき課題は多い。
 第4節においては、デジタルネットワーク文化の展開状況を概観した上で、インターネット上のコンテンツ量やインターネットコンテンツビジネスの市場規模を推計する。また、ユーザと事業者の視点からインターネットコンテンツビジネスの課題と取組状況について明らかにする。コンテンツビジネス及び技術の動向についても紹介する。

【デジタルネットワーク文化の発展とコンテンツの流通】

○ 平成13年にデジタルカメラの国内出荷台数がフィルムカメラを逆転し、平成14年度に全国の美術館等におけるデジタルアーカイブの実施率が26%になるなど、デジタルネットワーク文化は着実に進展している。
○ 国際情報発信を支える我が国の国際インターネット回線容量は1999年の約3Gbpsから2002年には約30Gbpsに急増しており、東京はアジア第1位のインターネットの国際ハブ都市である。ただし、北米向けが3分の2を占めており、アジア向けは3分の1以下にとどまっている。
○ インターネット利用者に占める英語人口は約37%であるのに対し、ウェブ上のコンテンツの使用言語は英語が約68%を占めており、英語以外の多言語が共存するインターネット空間の構築が求められている。

【インターネット上の魅力あるコンテンツの流通】

○ 平成14年末における我が国のインターネット上のコンテンツの総データ量(JPドメイン)は約10テラバイトで、平成10年8月と比較して約15倍に増加している。ただし、動画のファイル数は全体の約0.2%にとどまっている。
○ 平成13年(2001年)のコンテンツビジネスの市場規模は、コンテンツ市場の約11兆円に対し、インターネットコンテンツ市場規模は約2,000億円にとどまっている。しかし、インターネットコンテンツ市場も平成19年(2007年)には約6,000億円に成長する可能性がある。
○ 有料コンテンツの未利用者は、コンテンツの価格、コンテンツ不足、通信品質等に不満を感じており、これらの改善がインターネットコンテンツビジネスの今後の課題である。インターネットコンテンツ事業者は、インターネットコンテンツ市場の拡大に関する阻害要因として、ユーザ側にコンテンツにお金を払う意識がないことを挙げている。ただし、ユーザは価格面を重視しているものの、無料でなければ利用しない者は一部に限られている。
○ インターネットコンテンツ事業者は、ゲーム、映画、テレビ等のエンターテイメント系のコンテンツを有望視するとともに、不正使用防止対策、通信品質の改善策を講じている。
○ 携帯インターネットにおけるコンテンツビジネスが我が国発のビジネスモデルとして海外にも広がり始めている。

 

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