平成15年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

コラム2

電子投票

−岡山県新見市で全国初の電子投票を実施

 全国初の電子投票が岡山県新見市の市長・市議選で平成14年6月に実施された。
 電子投票は、近年の社会の情報化、IT化の流れの中で、開票作業が深夜に及ぶ現状に対応し、開票の迅速化により選挙の結果を選挙人に速やかに知らせるという要請を満たすものである。また、障害者や高齢者も含め、あらゆる選挙人の利便の向上を図るという観点からも推進すべきものである。
 自治省(現総務省)では、平成11年7月に「電子機器利用による選挙システム研究会」を発足させ、選挙事務の特殊性をも考慮しつつ選挙事務の更なる効率化を図るため、電子機器を利用した選挙システムについて研究を行ってきた。また、この研究を踏まえて、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙について、条例により電磁的記録式投票機を用いた投票を行うことができるよう公職選挙法の特例を定める「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」(電磁記録投票法)を第153回国会に提出した。同法案は全会一致で可決成立し、平成14年2月から施行された。

【新見市の例】

 全国初となった岡山県新見市での選挙当日は、市内43か所の投票所で、午前7時から電子投票が開始され、大きなトラブルもなく午後8時に締め切られた(図表1))。
 投票は、まず選挙人が投票所において投票機を操作するためのICカードを受け取り、投票機にICカードを挿入して、タッチパネルで候補者を選ぶという方式で行われた(図表2))。また、開票作業は、各投票所から送致された投票データを記録した記憶媒体(コンパクトフラッシュ)を、立会人の立会のもと開票所のパソコンで読み取り集計する方法で行われた。

 
図表1) 新見市市長・市議選での電子投票風景

図表1) 新見市市長・市議選での電子投票風景

 
図表2) 新見市で使われた電子投票機

図表2) 新見市で使われた電子投票機

 電子投票分の開票作業は、午後9時25分から開始され、約25分間で終了した。投票用紙による投票となった不在者投票の開票は手作業で行われ、午後11時25分に最終確定の開票結果が発表された。電子投票と不在者投票を合せた開票時間は、市長・市議選挙が同日に行われた前々回と比べ、約半分に短縮された。
 平成15年2月には広島市(安芸区のみ)で全国2例目(指定都市としては全国初)の電子投票が実施され、また、4月に行われた統一地方選挙においても宮城県白石市で実施された。今後も、福井県鯖江市、福島県大玉村、岐阜県可児市等で電子投票の実施を予定している。

 

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