平成15年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(5)無線インターネットの高度化

5GHz帯の屋外無線アクセスシステムを実現

 無線インターネットアクセスに関しては、e-Japan重点計画-2002において、「ネットワーク利用の利便性・容易性の向上を図るために、多種多様な無線通信サービスを利用者が意識することなく柔軟に選択して利用でき、そのネットワークに接続された多種多様で、極めて多数の端末を安全で、リアルタイムかつ自律的に制御・協調できるネットワーク技術を2005年までに実用化する。」とされており、現在、新たな電波利用システムの開発・導入の促進について期待が高まっている。
 無線インターネットアクセスの利用分野は、従来、オフィスや家庭内の無線LAN、ビル間、プロバイダと加入者を結ぶFWA(加入者系無線アクセスシステム:Fixed Wireless Access)等の利用が中心であった。最近、駅やコーヒーショップ等人が多く集まる、いわゆるホットスポットにおいて、高速の無線インターネットアクセスを行うサービスが開始されるなど、今後、より一層の無線インターネットアクセスの普及が大いに期待されている(図表1)、2))。

 
図表1) 無線アクセスシステムの概要

図表1) 無線アクセスシステムの概要
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図表2) 無線アクセスシステムの活用例

図表2) 無線アクセスシステムの活用例

1) 2.4GHz帯

 2.4GHz帯小電力データ通信システムは、安価であることや屋内外での利用が可能なことから、無線LANとして最も普及している。総務省では、より一層の普及のため、平成14年2月に高速な通信が実現可能なOFDM(直交周波数分割多重:Orthogonal Frequency Devision Multiplexing)方式の導入、高指向性アンテナの技術的条件の緩和等の省令改正を行い、高度化を図った。

2) 5GHz帯(屋外)

 屋外でも利用できる5GHz帯無線アクセスシステムの周波数を確保するため、平成14年9月に制度化を行った。今後、電気通信事業者によるインターネット接続、屋外でのいわゆるホットスポット等に利用されるシステムとして期待される。

3) 5.2GHz帯(屋内)

 5.2GHz帯小電力データ通信システムは、屋内に利用が限定されるが、伝送速度が最大54Mbpsと高速であり、家庭やオフィスにおける利用が期待される。平成14年2月に制度化を行ったシステムで、無線LANへの利用が期待されるシステムである。

4) 22/26/38GHz帯

 22/26/38GHz帯の無線アクセスシステムは、オフィスや一般世帯と電気通信事業者の交換局や中継系回線との間を直接接続して利用する無線システムであり、地域通信市場の競争促進、インターネットの利用拡大等大容量通信ニーズへの対応という点で展開が期待されている。電気通信事業者側の基地局と複数の利用者側の加入者局とを結ぶ1対多方向型(P-MP:Point to Multipoint)と、電気通信事業者側と利用者側とを1対1で結ぶ対向型(P-P:Point to Point)がある。

5) 25/27GHz帯

 25/27GHz帯小電力データ通信システムは、100Mbps以上の高速通信、混信の回避、通信距離の延伸等5.2GHz帯小電力データ通信システムに機能拡張を行った屋内外利用可能なシステムであり、平成14年2月に制度化を行った。今後、住宅、マンション等各家庭でのインターネットアクセスの手段、アクセスポイントへの中継用回線、家庭内情報家電やパソコン等の相互接続手段、オフィス内のネットワーク構築等への利用が期待されている。

 

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