平成15年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(3)電波の機器に与える影響の防止

安心して電波を利用できる環境の整備

 携帯電話端末等の急速な普及に伴い、無線設備から発射される電波が心臓ペースメーカ等の医用機器に誤動作を引き起こす可能性が指摘されている。このため、平成7年から8年にかけて、不要電波問題対策協議会(現電波環境協議会)が詳細な調査を実施し、平成9年3月、その結果をもとに、「医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針」が策定された(図表)。これを受けて、郵政省(現総務省)では指針の内容を厚生省(現厚生労働省)及び運輸省(現国土交通省)へ通知するとともに、その効果的な活用について要請した結果、鉄道車両内では混雑時に携帯電話の電源を切るなどの周知が行われている。

 
図表 医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針

図表 医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針

 その後、第3世代携帯電話等の新しい方式の携帯電話サービスの開始をはじめとする電波利用の拡大、心臓ペースメーカのような医用機器等の妨害電波排除能力が向上するなど、電波利用の状況が変化してきている。このため、総務省では、電波が医用機器等に及ぼす影響に関する詳細な調査を行い、電波を発射する側と医用機器等の影響を受ける側が安心して共存し、電波を利用できる環境の確保を図っている。平成12年度及び13年度には、最新の携帯電話端末等が心臓ペースメーカ等に及ぼす影響及び病院内における無線通信システムの導入に向け必要な諸条件について調査を実施した結果、先述した平成9年3月に策定した指針が妥当であることが確認されたため、広く国民に周知を行った。
 平成14年度からは、普及が進みつつあるワイヤレスカードシステム等から発射される電波が心臓ペースメーカ等に及ぼす影響の調査を実施している。

 
参考:電波利用ホームページ
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