(3)有料コンテンツ利用の実態 パソコンからの利用拡大には、料金設定・コンテンツ充実が課題 1 有料コンテンツの利用状況  平成14年において、パソコンからのインターネット利用者のうち有料のインターネットコンテンツを利用した者は、9.9%と1割弱にとどまる(図表1))。接続回線別では、ナローバンド利用者の利用率が8.7%であるのに対し、ブロードバンド利用者は12.6%であり、ブロードバンド利用者の方が利用率は高い(図表2))。  利用コンテンツの内容は、ソフトウェアが30.0%、音楽・映像が22.7%であった(図表3))。また、携帯インターネット利用者のうち、携帯電話により有料のインターネットコンテンツを利用した者は37.3%である。利用コンテンツの内容は、ゲームが81.2%、着メロが50.8%であった(図表1)、4))。 図表1) 利用端末別の有料インターネットコンテンツの利用状況(過去1年間) 図表2) 接続回線別の有料インターネットコンテンツの利用状況(過去1年間) 図表3) パソコンからの利用コンテンツの内容(複数回答) 図表4) 携帯電話からの利用コンテンツの内容(複数回答)  このように、携帯インターネットでは有料コンテンツの利用が比較的進んでいる。その要因としては、着信メロディや待ち受け画面といった携帯電話特有の有力なコンテンツが開発されていること、少額の決済を安全かつ簡単に行うことのできる課金システムが整備されていること、移動中に利用できるという付加価値があるため利用者がゲーム等のコンテンツに対価を支払う環境があることなどがある。  現状では、携帯インターネットに比べると、パソコンから有料コンテンツを利用する者は一部に限られている。しかし、今後、携帯電話同様にパソコン利用者向けに魅力的なコンテンツの充実や簡便な料金回収システム等の条件整備が進めば、ブロードバンドの普及に伴い、パソコンから有料コンテンツを利用する者も増加していく可能性がある。 2 有料コンテンツ利用者の意識  有料コンテンツ利用者の意識について、映像、音楽コンテンツの利用者に対して調査したところ、パソコンからインターネットコンテンツを利用した理由は「価格が安かったから」との回答が51.3%、次いで「好きな時間に視聴できるから」が44.5%、「CD店やレンタル店等に行く必要がないから」が32.8%となっている(図表5))。動機付けとして、いつでも、どこでも利用できるといったインターネットの長所も大きいが、それ以上に価格面のメリットが大きく影響している。 図表5) 有料のインターネットコンテンツを利用した理由(複数回答)  また、利用者がコンテンツ利用に際して感じている不満では、「コンテンツのコピー制限」が61.3%、「コンテンツの利用期間制限」が52.9%と多く、コンテンツの利用制限に対する不満が最も多い。次いで、「映像コンテンツ利用時の画質」が51.2%、「映像コンテンツ利用時の通信の安定性」が49.5%と多い(図表6))。「コンテンツの品揃え」よりも、コンテンツの利用制限や通信の品質・安定性に対する不満の方が大きく、コンテンツの自由な利用条件や通信環境の向上が求められている。 図表6) 有料のインターネットコンテンツ利用に際して感じた不満(複数回答) 3 有料コンテンツ未利用者の意識  パソコンから有料コンテンツを利用したことのない者において、有料コンテンツを利用しない理由は、「価格が高い」が47.1%と最も高く、「魅力あるコンテンツがない」が26.1%、「通信の安定性がよくない」が24.7%と続いている(図表7))。有料コンテンツの未利用者も、価格面を最重視している。しかし、「インターネット上のコンテンツにお金を払いたくない」が17.8%であり、無料でなければ利用しないという者は一部に限られている。価格次第によって一定の需要はあると考えられる。 図表7) 有料コンテンツの未利用者における利用しない理由(3つまで選択)  有料コンテンツを利用しない理由として「価格が高い」と回答した者に対し、どの程度であれば利用するかを質問したところ、「レンタルビデオ・CDの価格より安ければ利用する」とした回答者が49.3%とほぼ半数を占めた(図表8))。レンタルビデオ・CDが既に普及しており、レンタルショップの料金水準が利用者にとって有料コンテンツ利用の目安となっている。 図表8) 有料コンテンツの価格に対する意識(図表7)において、価格が高いと回答した人に質問)