平成16年版 情報通信白書

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第1章 特集 「世界に拡がるユビキタスネットワーク社会の構築」

2 国際競争力の強化と技術開発・標準化

ユビキタスネットワーク構築に資する研究開発と標準化の一体的推進

1 日本に強みのある情報通信機器

 世界の情報通信機器市場において、パソコン関連機器、携帯電話端末では、我が国の市場占有率は必ずしも高くないが、液晶テレビが76.8%、プラズマディスプレイテレビが72.0%、デジタルスチルカメラが65.5%、普通紙複写機が74.4%、カー・ナビゲーション・システムが64.7%と高い市場占有率を有している(図表[1])。

 
図表[1] 世界の情報通信機器のマーケット・シェア(2002年)

図表[1] 世界の情報通信機器のマーケット・シェア(2002年) 資料1-1-3参照
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 今後、家電機器がネットワーク化、高機能化され、情報がネットワーク化された機器の間でやりとりされるような環境に進む中で、我が国の世界最高水準のネットワークインフラが整備された市場で機器の開発をすることは、高機能で高付加価値のある機器を開発する上で優位な立場にあるといえる。

2 国際競争力の確保のための技術開発・標準化

 日米欧アジア間の情報通信技術の優位性について、我が国及び海外の情報通信技術者に対し調査を行ったところ、日本は、ディスプレイ等の出力技術、モバイル端末・情報家電等の端末技術、電子タグ・センサ等の入力技術に優位性を持つ一方で、セキュリティ・認証等のミドルウェア技術、コンテンツ記述言語等のコンテンツ・アプリケーション開発は劣っているという結果になった。光ネットワーク・モバイルネットワーク等のネットワーク技術では我が国と米国はほぼ同等であるとの回答となった(図表[2])。我が国は現在市場が拡大しつつあり、また、拡大が予想される情報家電等の分野では優位性があるが、セキュリティ技術や著作権管理技術といった、ソフトウェアも関連するミドルウェア技術で遅れをとっているものと考えられる。

 
図表[2] 情報通信技術の優位性に関する国際比較

図表[2] 情報通信技術の優位性に関する国際比較 資料1-1-4参照
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 今後、利用者が安心・安全なネットワークにより多様なサービスの提供を受けることを可能とし、我が国の得意分野である家電の操作性や高信頼性を活かし、パソコンの操作に詳しくない一般の利用者でも使いやすい端末を開発するなど、ユビキタスネットワークの構築に資する研究開発と実証実験の推進が期待される。
 さらに、研究開発の成果を広く普及させ、国際競争力の強化や国民生活の向上等を図るためには、研究開発の早期段階から知的財産権を確保しつつ標準化活動を推進するなど、研究開発と標準化を一体となって推進し、我が国が開発した技術を世界に普及させる取組が重要である。

 

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