平成16年版 情報通信白書

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第1章 特集 「世界に拡がるユビキタスネットワーク社会の構築」

(3)インターネット利用による国民生活の変化

インターネットはコミュニケーションを活発化させ、外出先での利用も拡大

1 インターネット利用による生活・行動の変化

 インターネットの利用は、日々の生活や行動・活動にも変化を与えている。インターネット利用者にインターネット利用による生活面での変化について尋ねたところ、ブロードバンド利用・未利用にかかわらず、全体として「家族や友人と連絡を取る頻度」が増加したと答えた人が多い。また、ブロードバンドの利用者は「睡眠時間」、「テレビを見る時間」、「余暇の時間」が減少したと答えた人が多く、休息や余暇等の時間が特に減少傾向にある(図表[1])。インターネットの利用は生活時間に影響を与える一方で、家族・友人等親しい人とのコミュニケーションの活発化をもたらしていると考えられる。

 
図表[1] インターネット利用による生活の変化(複数回答)

図表[1] インターネット利用による生活の変化(複数回答)
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 また、インターネットが生活の中で日常的に利用されることにより、インターネットの重要度が高まっている。インターネット利用者の92.2%がインターネット(携帯電話からの利用も含む。)が利用できなくなると「非常に困る」又は「困る」と回答しており(図表[2])、その理由として、「情報収集がしにくくなる」(69.6%)ことが最も多く挙げられている(図表[3])。

 
図表[2] インターネットの重要度

図表[2] インターネットの重要度
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図表[3] インターネットが使えなくなって困る理由(複数回答)

図表[3] インターネットが使えなくなって困る理由(複数回答)
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2 インターネット利用形態の多様化

 インターネットは、自宅のみならず複数の場所で利用されるようになっており(1-2-1(1)参照)、利用場所も多様化している。インターネット利用者(注1)に対して外出先でインターネットを利用する場所を尋ねたところ、「1日に数回」利用する人では、「宿泊施設(ホテル、旅館等)」が最も多く59.5%であり、「駅・空港等」が57.0%、「飲食店(喫茶店・ファーストフード店・レストラン等)」が50.3%と続いている。また、「日常利用する交通機関内(電車、バス等)」(42.2%)や「自動車内」(31.1%)においての利用割合も比較的高く、移動中も高い頻度でインターネットを利用していることがわかる。
 一方、「月に1回程度」の利用者も、宿泊施設(47.3%)、飲食店(39.1%)、駅・空港等(22.6%)での利用が多くなっている(図表[4])。

 
図表[4] 外出先でのインターネット利用場所(複数回答)

図表[4] 外出先でのインターネット利用場所(複数回答)
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 また、外出先で「1日に数回」インターネットを利用する人のうち8割弱の利用者は、公私の別にかかわらず「メールの送受信」を利用しているほか、私的利用のためのウェブコンテンツの閲覧(60.2%)、仕事や勉強のためのウェブコンテンツの閲覧(47.6%)が続いている。一方、外出先におけるインターネット利用が月に1回程度である利用者は、私的な目的のために「メールの送受信」を利用している人が63.6%、趣味などのための「ウェブコンテンツの閲覧」が62.9%となっている(図表[5])。

 
図表[5] 外出先におけるインターネットの利用用途(複数回答)

図表[5] 外出先におけるインターネットの利用用途(複数回答)
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3 インターネット利用環境への期待

 外出先でインターネットに接続(注2)するために主に利用されている通信回線としては、「携帯電話」(32.3%)の利用が最も多く、次いで「備え付けの固定回線」(29.0%)、「カード型PHS」(17.6%)が挙げられている(図表[6])。

 
図表[6] 外出先でのインターネット接続回線

図表[6] 外出先でのインターネット接続回線
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 また、外出先でのインターネット接続の際に最も優先することは、「料金が安いこと」が39.9%と最も多く、次いで「通信品質」が17.6%、「回線速度」が15.2%となっており、低料金での高速・高品質による接続が望まれている(図表[7])。

 
図表[7] 外出先でインターネットに接続する際の優先項目

図表[7] 外出先でインターネットに接続する際の優先項目
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 今後、インターネットを利用したい場所については、外出先でインターネットを利用している人は、現在の主な利用場所である「宿泊施設(ホテル、旅館等)」(66.1%)のほか、「駅・空港等」(58.9%)、「新幹線等の長距離列車内や航空機内」(56.3%)を挙げており、中・長時間利用可能な場面でのインターネットの利用が期待されている。外出先でインターネットをしていない人は、既に利用している人と同様に、「宿泊施設(ホテル、旅館等)」(50.2%)や「新幹線等の長距離列車内や航空機内」(34.5%)での利用意向を挙げているほか、「公共施設(役所、図書館等)」(33.6%)や「駅・空港等」(29.4%)といった身近な地域での公的な場所での利用にも期待を寄せている(図表[8])。外出先でのインターネットの利用、未利用を問わず、移動中や移動先も含めどこでもインターネットに接続する環境が求められている。

 
図表[8] 今後インターネットを利用したい場所(複数回答)

図表[8] 今後インターネットを利用したい場所(複数回答)
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(注1)ここでのインターネット接続は携帯電話・PHS単体からのインターネット接続は除く
(注2)ここでのインターネット接続は携帯電話・PHS単体からのインターネット接続は除く

 

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