平成16年版 情報通信白書

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第2章 情報通信の現況

7 情報通信ベンチャー

情報通信分野の大学等発ベンチャーの比率は引き続き最大

1 情報通信ベンチャー等の動向

 情報通信分野における大学等発ベンチャー(注1)の数は、平成14年には157社、平成15年(8月末まで)には169社となっている。分野別にみると、情報通信分野の企業は全大学等発ベンチャーの25.8%(対前年比2.0ポイント減)となっている。若干比率が低下しているものの、情報通信分野は大学等発ベンチャーにおいて引き続き最も大きな比率を占めている(図表[1])。

 
図表[1] 大学等発ベンチャー数の推移(累計)

図表[1] 大学等発ベンチャー数の推移(累計)※
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 また、平成15年において、新興企業向け証券市場(注2)に上場した情報通信関連企業(注3)は28社であり、これらの市場における全新規上場企業数の26.2%(対前年比6.2ポイント減)となっている(図表[2])。

 
図表[2] 新興企業向け証券市場における情報通信関連企業の新規上場数の推移

図表[2] 新興企業向け証券市場における情報通信関連企業の新規上場数の推移
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 国土交通省の調査によると、情報通信分野の中で、ソフト系IT産業(注4)における事業所の開廃業率は、平成15年3月〜9月では開業率が13.4%、廃業率が13.7%になっており、依然として活発な参入と撤退が続いている(図表[3])。

 
図表[3] ソフト系IT産業の事業所の開廃業率の推移

図表[3] ソフト系IT産業の事業所の開廃業率※の推移
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2 情報通信ベンチャーに対するベンチャーキャピタルの投資動向

 情報通信ベンチャーの資金調達においては、新興企業向けの証券市場やベンチャーキャピタルが重要な役割を担っている。特に創業期の情報通信ベンチャーに対しては、ベンチャーキャピタルからのリスクマネー供給の充実が不可欠となっているが、我が国のベンチャーキャピタル投資は他国と比較して低水準にとどまっており、ベンチャーキャピタル投資に占めるIT分野の割合も低くなっている(図表[4])。なお、ベンチャーキャピタルの新規投資先にIT関連企業(注5)が占める割合は、平成14年10月から15年9月の1年間では36.0%となっている(図表[5])。

 
図表[4] 日米韓におけるベンチャーキャピタル投資額のGDP比率、ベンチャーキャピタル投資額に占めるIT部門の比率(1998〜2001年平均)

図表[4] 日米韓におけるベンチャーキャピタル投資額のGDP比率、ベンチャーキャピタル投資額に占めるIT部門の比率(1998〜2001年平均)
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図表[5] ベンチャーキャピタルの新規投資先の推移(金額ベース)

図表[5] ベンチャーキャピタルの新規投資先の推移(金額ベース)
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(注1)ここでいう大学等発ベンチャーとは、大学及び政府研究施設が技術移転、人材移転又は出資により、新技術・ビジネスモデルを基に設立した企業を指す
(注2)ここではマザーズ、ナスダック、ヘラクレスを指す
(注3)株式市場の業種分類において、「情報・通信業」に分類されている企業。平成15年版情報通信白書とは定義が異なるため数字が異なる
(注4)ソフトウェア、情報処理サービス、インターネット関連
(注5)半導体/他電子製品、コンピュータ関連、インターネット関連、通信

関連ページ:ITベンチャーの創業・成長を促進するための環境整備については、3-4-1参照

 

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