平成16年版 情報通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
目次の階層をすべて開く目次の階層をすべて閉じる

第2章 情報通信の現況

6 アジアのIT政策の動向

中国の著しい成長が続く

1 中国

 中国における電気通信市場の成長は、依然として著しく、中国情報産業部によると、2003年10月、固定電話の加入者が2億5,514万人に、携帯電話の加入者が2億5,694万人となった。
 また、インターネット加入者数は、CNNIC(中国インターネット協会)によると、2003年末に7,950万人であり、米国に次いで世界2位と推定される。
 国内事業者では、1999年4月「中国電信」が固定通信・衛星通信・移動体通信・無線呼出しの4つの事業体に分割され、さらに、2002年5月、中国電信(固定通信)が南北2社に分割し、中国電信の北部地域については、データ通信を行っていた「中国網絡通信」及び「中国吉通」と合併し「中国網絡通信」が設立された。南部地域については、引き続き「中国電信集団」の名称で事業を行っている(図表[1])。

 
図表[1] 中国電気通信関連組織・事業体の変遷

図表[1] 中国電気通信関連組織・事業体の変遷

 情報通信政策面では、中国は、2001年12月にWTOへの正式加入を果たし、法制度の整備とともに、電気通信市場の開放を進めている。法制度については、2000年9月に制定された「電信条例」において、電気通信事業を「基礎通信業務」と「付加価値通信業務」に分類し、「基礎通信業務」への外国からの投資を49%まで認めるとともに、「付加価値通信業務」では外国からの投資制限規定を設けないなど、電気通信市場の開放に関して一定の努力をしている。2000年12月には、米AT&Tと中国企業との合弁企業である「上海信天通信有限公司」が設立され、初の外資参入が実現した。2003年には、韓国SKテレコムと中国企業との合弁会社の設立が認可されている。
 なお、外資と中国企業との合弁によって電気通信事業に参入する際の条件や手続き等を規定した「外商投資電信企業管理規定」が2002年1月より施行されるなど外資参入の促進を図る政策が引き続き進められている。

2 香港

 IT戦略については、2004年3月、「デジタル21戦略」(2001年策定)の目標がほぼ達成できたとして、新たに「2004年デジタル21戦略」を発表し、[1]政府の主導、[2]持続可能な電子政府プログラム、[3]インフラ及びビジネス環境、[4]制度の検討、[5]技術開発、[6]活気に満ちたIT産業、[7]知識経済における人的資源、[8]デジタル・ディバイドの解消という計8つの主要行動分野の施策を推進している。
 電気通信事業の現状については、2003年1月に香港域内固定通信市場が完全自由化され、事業者への免許数が撤廃され、新規参入が可能となった。域内固定通信は、有線・ケーブルテレビ・無線等計11社体制で、企業向け通信・ブロードバンドサービス等について競争が促進されている。このうち、ブロードバンドサービスの加入数は、2003年12月現在123万件となっている。域外(国外)通信では1999年1月に事業ベースで自由化が行われており、2004年3月現在223社が参入している。
 移動体通信市場に関しては、携帯電話加入数が引き続き増加しており、2003年12月現在、香港の全人口681万人に対して、加入数は719万件・普及率106%となっている。なお、第三世代携帯電話に関しては、2004年1月、ハチソン3Gが香港で初めてサービスを開始した。

3 韓国

 韓国では、DSLを利用したブロードバンドサービスの加入者が引き続き増加しており、韓国情報通信部によると、2003年末のインターネット利用者数は、2,920万人(人口比で65.5%)に達している。
 情報通信政策面では、2003年2月の新政権発足、電子政府基盤完成、同年1月のインターネット障害事故等の新しい環境変化に合わせて、同年12月に既存の「e-Korea Vision2006」の一部を改定した「Broadband IT KOREA Vision 2007」を公表し、[1]知識情報社会の全面的実現(2007年までにインターネット普及率を90%に拡大等)、[2]知識情報社会の土壌造成、[3]IT新成長動力創出基盤造成、[4]グローバル情報社会に向けた国際協力の強化に取り組み、国民所得2万ドル時代の実現を目指すこととしている(図表[2])。

 
図表[2] Broadband IT KOREA Vision 2007の概要

図表[2] Broadband IT KOREA Vision 2007の概要

Excel形式のファイルはこちら


 

テキスト形式のファイルはこちら

5 EUのIT政策の動向 に戻る 7 国際的なデジタル・ディバイドの状況 に進む