平成16年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(4)IPアドレス・ドメイン名の管理

インターネットの安定的運用

1 ICANNの役割

 世界中の人々がインターネットを安心して利用できるためには、インターネットを利用する上で必要不可欠なIPアドレス、ドメイン名等の適切な管理が極めて重要であり、現在、民間の国際非営利組織であるICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)が、これらインターネット資源の適切な管理を行っている。
 ICANNは最高意思決定機関である理事会を頂点にして組織されており、各種委員会のうち各国政府及び国際機関の代表者から構成される政府諮問委員会(GAC)には、総務省が我が国唯一の正式登録メンバーとして参加し、我が国のインターネット利用者の意志を国際的な議論に反映させつつ、アジア・太平洋地区をはじめとする国際的な協力体制の確立に取り組んでいる。

2 ドメイン名の適切な管理

 ドメイン名は、「.com」や「.net」のような国の区別なく世界中で自由に取得可能な分野別ドメイン名(gTLD:generic Top Level Domain)及び「.jp」のような国別ドメイン名(ccTLD:country-code Top Level Domain)の大きく2種類に分けることができる。分野別ドメイン名は米国VGRS社をはじめとする登録管理組織、また、JPドメイン名は日本レジストリサービス(JPRS)社によって管理されており、ともに、ISP等の登録事業者を通じて取得することができる(図表[1]、[2])。

 
図表[1] JPドメイン名の登録件数の推移

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図表[2] 主要国のIPv6アドレスブロック割当て組織数の推移

図表[2] 主要国のIPv6アドレスブロック割当て組織数の推移
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 日本語をはじめとする国際化ドメイン名については、2003年3月7日に、IETF(Internet Engineering Task Force)において、3つのRFC(Request for Comments)が発行され、技術標準が確定した。その後、総務省を含めた日本関係者等が技術標準に基づくサービスの早期開始を働きかけたことにより、2003年6月にICANNが国際化ドメインネームの登録管理サービスに関するガイドラインを公表し、7月から当該ガイドライン及びIETFのRFC準拠による日本語JPドメインのサービスが開始されている。
 このほか、ドメイン名における地理的名称(国名等)の保護、ドメイン名に関する紛争処理手続(DRP:Dispute Resolution Policy)やWhoisデータの正確性等、我が国のインターネット利用者にとって分かりやすく使いやすいドメイン名の利用環境整備の実現には、国際的調整が極めて重要であり、総務省としても、ICANN政府諮問委員会等を通じて積極的に働きかけていくこととしている。

3 国際的なインターネットの安定性の確保

 2001年9月11日に発生した米国同時多発テロを受け、国際的な広がりを持つインターネットの安定性の確保は極めて重要な課題となっている。また、2003年1月に韓国等で発生した大規模なインターネット障害は、我が国には大きな影響はなかったものの、韓国において深刻な事態をもたらし、情報通信政策を推進する上で情報セキュリティの確保が極めて重要な課題であることを明らかにした。総務省は、ルートネームサーバーをはじめとするインターネット基盤が安定的に機能するように、ICANN等の国際的なインターネットの運営体制を支援しつつ、これらと連携し、必要な措置を講じていくこととしている。

 

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