平成16年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(8)ITS(高度道路交通システム)の推進

人・道路・車両を一体化した情報通信ネットワークを実現

 ITS(高度道路交通システム:Intelligent Transport Systems)は、道路交通に関する総合的な情報通信システムであり、交通渋滞の軽減、交通事故の減少、輸送の効率化、地球環境との調和等の国民生活に身近な道路交通問題解決の切り札と考えられている。
 我が国では、ITS関係省庁が「高度道路交通システム(ITS)推進に関する全体構想」を策定し、ITSが目標とする機能、開発・展開計画について、20年先までのビジョンを示し取り組んできた。
 現在、ITSの一部のシステムが実用化され、交通渋滞情報等をドライバーにリアルタイムで提供する道路交通情報通信システム(VICS:Vehicle Information and Communication System)は、全47都道府県において提供されており、VICSユニットの出荷累計は平成15年12月末現在で約846万台となっている。また、有料道路の料金所を停車することなく無線通信を用いて通行料金の支払を可能とするノンストップ自動料金支払いシステム(ETC:Electronic Toll Collection System)は、平成15年度中に高速道路の基本的にすべての料金所において整備が完了しており、ETC車載器の普及台数は平成16年3月末現在で約270万台となっている。
 総務省では、ITSの更なる推進を図るため、主に以下の施策に取り組んでいる。
 [1] 場所やアプリケーションにより複数のメディアを効率的に活用し、移動する自動車を最適にインターネットにつなぐ、インターネットITSの研究開発を、平成16年度まで行うこととしている(図表)。
 [2] 地域においてITSに取り組む際の環境整備を行うため、地方公共団体や関係機関等の協力を得て、地域のITS情報通信システムの相互接続性の確保等を図るためのモデルシステムの調査開発を平成15年度まで行った。
 [3] ITUへの貢献のほか、ITS情報通信技術の国際展開に関する調査研究を行っている。これらの活動の成果として我が国のDSRC(狭域通信:Dedicated Short Range Communications)システムの無線通信方式は平成14年(2002年)7月、ITU国際標準として勧告された。

 
図表 ITS実現のための情報通信技術の研究開発

図表 ITS実現のための情報通信技術の研究開発

 

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