第2章 情報通信の現況 第1節 情報通信産業等の動向 1 市場規模 平成14年における情報通信産業の市場規模は対前年比2.7%減の116兆円 1 情報通信産業の市場規模  我が国の情報通信産業の市場規模(注1)は、平成14年に116兆円(対前年比2.7%減)となり、平成7年以降で初の減少となった。この原因は、平成14年において各産業の設備投資が抑制され、電子計算機・同付属装置、有線・無線電気通信機器への投資が減少したこと等による。また、全産業の市場規模総額に占める情報通信産業の市場規模の割合も、平成14年には12.0%(対前年比0.2ポイント減)となり、平成7年以降で初の減少となった(図表[1])。 図表[1] 情報通信産業の市場規模と全産業に占める割合の推移  米国の情報通信産業の市場規模も、我が国と同様の推移を示しており、日米ともに情報通信産業は平成14年(2002年)において対前年比で減少している(図表[2])。 図表[2] 日米における情報通信産業の市場規模の推移(平成7年を100として指数化) 2 産業別市場規模  情報通信産業の市場規模を他産業と比較すると、平成9年に建設を上回って以来、情報通信産業は全産業中、最大規模の産業となっている。また、平成7年から14年にかけて年平均成長率が最も高いのは、情報通信産業(5.6%増)である(図表[3])。 図表[3] 産業別市場規模の推移 3 情報通信産業における部門別市場規模  情報通信産業の部門別(注2)市場規模において、平成14年に最も大きい部門は通信業(26兆円)であり、13年に部門別では最大の市場規模だった情報通信関連製造業(24兆円)を逆転した。また、平成7年から14年にかけて年平均成長率が最も高い部門は情報サービス業(11.3%)、次いで通信業(10.9%)となっている(図表[4])。 図表[4] 情報通信産業における部門別市場規模の推移 (注1)情報通信産業の市場規模(ここでは産業連関表を基に推計した実質国内生産額と同義)は、以下のように推計した [1]平成7年については、「平成7年産業連関表」(総務庁(現総務省))の一部を資料2-1-1の定義・範囲に組替え [2]平成8年から14年のデータについては、平成7年データを、「国民経済計算年報」(現内閣府)、「工業統計表」(現経済産業省)等の産出額、出荷額等により名目国内生産額を推計した上で、これに「卸売物価指数」(日本銀行)等で除して実質化  また、情報通信産業を除く産業の市場規模は、「国民経済計算年報」(内閣府)の付表「経済活動別の国内総生産・要素所得」の産出額を引用。なお、卸売、小売の産出額はいわゆる売上額(市場規模)ではなくマージン額(=売上額−仕入額) (注2)情報通信産業の部門は、資料2-1-1の定義・範囲参照