平成17年版 情報通信白書

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第1章 特集 「u-Japanの胎動」

(7)書籍貸出・管理のための電子タグの利活用

書籍への電子タグの貼り付けで、貸出業務、書籍管理を効率化

 平成15年3月に開館した千葉県富里市立図書館は、蔵書数が約11万冊(平成16年12月)で、開館当初から、書籍、雑誌に電子タグを貼り付けることにより、貸出・返却、棚卸し等の業務効率化を図っている。なお、電子タグは通常、書籍の納入時に貼り付けられるため、図書館側での作業は発生しない。
 当図書館での書籍の貸出では、利用者が自動貸出機に書籍を置く(複数冊置くことも可能)と瞬時に電子タグの情報を読み取り、手続が完了する(図表[1])。従来通りのカウンターでの貸出も可能であるが、1日平均約1,300冊の貸出のうち74%が自動貸出機を利用したものとなっている。

 
図表[1] 自動貸出機

図表[1] 自動貸出機

 また、年に1度の蔵書の棚卸しの際には、持ち運びのできるリーダーを使用し、電子タグに記録された書籍情報を読み取ることで処理を行っている(図表[2])。一般に、図書館での棚卸しは、書籍に貼り付けられたバーコードを読み取って処理されており、処理速度は1時間に1,000冊程度であるが、当図書館では1時間に6,000冊程度と6倍の処理速度となっている。さらに、棚卸しによって、書籍の配置場所、貸出回数、最終利用日等のデータを収集することができ、例えば、貸出回数の頻度を基に書籍の配置場所を調整したり、最終利用日の日付の古い書籍を書庫に移動するなど、利用者サービスを向上させることも可能となっている。

 
図表[2] 電子タグリーダー

図表[2] 電子タグリーダー

 現在のところ、本の形状、材質、タグの重なり具合等によって、電子タグの読み漏れが0.5%程度の頻度で発生しているが、その他に運用上大きな問題もなく、電子タグの導入は成功であったと関係者は評価している。

 第1節 国民・企業のユビキタスネットワーク利用

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