平成17年版 情報通信白書

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第1章 特集 「u-Japanの胎動」

(8)車両の動態管理のためのGPS機能付携帯電話の利活用

GPSによる位置確認により、業務効率化、顧客サービスの向上を実現

 石油製品を扱う某企業では、全国5,000箇所のガソリンスタンドを通じてガソリン、軽油などの小売販売を行っており、タンクローリーによってガソリン等をスタンドに運搬している。
 タンクローリーからガソリンスタンドへ給油を行う際には、一定時間、タンクローリーの駐車スペースを空けなければならないため、ガソリンスタンドから当企業のカスタマーサービスセンターに対し、タンクローリーの到着時間に関する問い合わせが一日50〜100件も寄せられていた。そこで、当企業は、問い合わせに対する業務の効率化、返答時間の削減等を目的として、平成16年5月、GPS機能付携帯電話の位置確認機能を利用したシステム構築を行った(図表[1])。

 
図表[1] システムの概要

図表[1] システムの概要

 システム構築前は、問い合わせがあった場合、カスタマーサービスセンターから配車センター(配車を管理している当企業の別会社)に問い合わせ、そこから運送会社(配送業務を請け負っている運送会社)に問い合わせ、さらに業務用無線を使用してタンクローリーのドライバーに問い合わせるといった手間と時間のかかる作業であった(図表[2])。

 
図表[2] システム構築前の業務フロー

図表[2] システム構築前の業務フロー

 しかし、システム構築後は、GPS機能によって、カスタマーサービスセンターからタンクローリーの位置を直接把握できるようになり、これまで1件の問い合わせへの対応に15〜20分程度かかっていたものが、3〜4分程度に短縮された。また、ガソリン等の運搬の際に、ドライバーが携帯電話を操作してタンクローリーの状況(積地到着、ガソリンスタンド到着等)をカスタマーサービスセンターに報告するようにし、センターによるタンクローリーの状況把握が可能になった(図表[3])。さらに、タンクローリーが誤って予定運搬先と異なるガソリンスタンドに到着した場合は、携帯電話にエラーメッセージが表示されることで、誤配送の防止にも役立っている。

 
図表[3] 携帯電話側端末操作の概要

図表[3] 携帯電話側端末操作の概要

 第1節 国民・企業のユビキタスネットワーク利用

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