平成17年版 情報通信白書

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第1章 特集 「u-Japanの胎動」

コラム1 環境に配慮した社会の実現に向けたユビキタス技術の活用

ユビキタス技術とCO2排出量削減

 平成9年12月、京都において開催された「気候変動に関する国際連合枠組条約」第3回締約国会議(COP3:The 3rd session of the Conference Of the Parties to the United Nations Framework Convention on Climate Change)において、先進各国の温室効果ガス排出量について、法的拘束力のある数量化された削減約束を定めた「京都議定書」が全会一致で採択され、平成16年11月にロシアが批准したのを受け、「京都議定書」は平成17年2月に発効した。そのため我が国は、第1約束期間(平成20(2008)年〜平成24(2012)年)中の温室効果ガス総排出量を対基準年(原則平成2年)比6%削減する国際的責務を負っている。
 我が国の地球温暖化対策の基本方針は、京都議定書を履行する中で、環境と経済の両立に資するよう、技術革新や経済界の工夫を活かした仕組の整備・構築を図ること等である。こうした中、人や物の状況、その周辺環境等を自動的に認識し最適な対応を実現するユビキタスネット社会においては、生産・物流・消費の経済活動の効率化が飛躍的に進展するだけでなく、渋滞緩和、オフィス・住宅機器及び空調のきめ細かい管理等、経済成長と利便性の向上を追求しながら環境負荷の低減が実現できるものと注目されている。
 このため、総務省では、平成16年12月から平成17年3月まで「ユビキタスネット社会の進展と環境に関する調査研究会」を開催し、ユビキタスネット社会が地球環境に与える影響を明らかにするとともに、ユビキタス技術の活用による環境負荷低減効果を試算するなど、各種施策の検討を行った。
 検討の結果、平成22(2010)年を平成12(2000)年と比較するとCO2排出量は、
[1] ネットワークインフラ・ユビキタス機器の使用増加等により600万t−CO2増加。
[2] ユビキタスシステムの活用による環境負荷低減効果により1,480万t−CO2の削減。
[3] ユビキタス関連市場の拡大による産業構造の転換により1,770万t−CO2の削減。
差し引きで2,650万t−CO2の削減が実現されるとの試算結果が出た。これは、火力発電所10.6基分の年間CO2排出量に匹敵する。
※火力発電所(40万kW)、稼働率80%で計算

 
図表 環境負荷低減に資するユビキタスシステムの概要

図表 環境負荷低減に資するユビキタスシステムの概要

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