平成17年版 情報通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く目次の階層をすべて閉じる

第1章 特集 「u-Japanの胎動」

コラム4 固定通信と移動通信の融合(FMC)

 世界の通信市場では、携帯電話の普及により、固定通信は縮小傾向となっており、我が国においても、平成12(2000)年度に移動通信の契約数が固定通信の契約数を上回って(注1)以降、その差は拡大を続けている。
 こうした中で、FMC(Fixed and Mobile Convergence)と呼ばれる新たなサービスが出現しつつある。FMCとは、携帯電話端末を家庭やオフィス内では固定通信網に接続して使用し、一方、屋外では移動通信網に接続して使用するサービスであり、端末が固定通信網と移動通信網をシームレスに自動選択するため、利用者はどのエリアにいるかを意識する必要はない。また、家庭やオフィス内では固定通信網を経由することになるので、利用者にとっては通信料金を安くできるというメリットもある。
 FMCの代表的なプロジェクトの一つとして、英国のBT(British Telecom)の「Bluephone(ブルーフォン)」がある。ブルーフォンは、Bluetooth(注2)を内蔵した携帯電話端末により、家庭やオフィス内では固定通信網に接続し、屋外ではボーダフォン(Vodafone)の移動通信網に接続するサービスである。BTはブルーフォンを2005年春にも開始する予定であり、5年以内に同サービスによる収入を年間10億ポンドと見込んでいる。なお、BTは、将来的にはBluetoothを無線LANに切り替えていく予定である。
 また、韓国では、2004年6月、韓国情報通信部がKT(Korea Telecom)に対して、KTが固定通信と移動通信を融合したサービスの提供を行うことを認可した。このサービスは「DU(デュー)」と呼ばれ、BTのブルーフォンと同様Bluetoothを内蔵した携帯電話端末によるサービスであり、2004年7月から開始されている。
 なお、我が国では、法人向けに固定通信と移動通信を統合し、企業内において携帯電話端末を内線電話として利用できるサービスが開始されている。

 
図表 FMCの概念図

図表 FMCの概念図


(注1)固定通信と移動通信の契約数の推移については第2章第2節2(2)図表[2]参照
(注2)10m程度の近距離無線通信のインターフェイス規格。最大通信速度は1Mbps

 コラム

テキスト形式のファイルはこちら

5 情報通信機器、情報通信技術の日本の優位性 に戻る 第1章第5節 第5節の要旨 に進む