平成17年版 情報通信白書

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第2章 情報通信の現況

5 EUの情報通信政策の動向

電子通信規制パッケージの実施と新たな改革への取組

1 新たな電子通信規制パッケージ

 EUは、競争の促進や通信と放送の融合等、EUの域内における電子通信市場をダイナミックで競争力のあるものとするため、電気通信分野における従来の規制の枠組を見直し、2002年4月に(ローカルループ・アンバンドリング規則については2000年12月、プライバシー及び電子通信指令については2002年7月、競争指令については2002年9月に)、一連の新たな電子通信規制パッケージを公布・施行した(図表)。
 各加盟国は、5つの指令について2003年7月までに(プライバシー及び電子通信指令については2003年10月までに)国内の法制化作業を終えることが併せて義務付けられている。イギリス・フィンランド・デンマーク等20カ国では、2004年10月までに法整備が完了したが、法整備の遅れているベルギー、ギリシア、ルクセンブルグの3カ国に、欧州司法裁判所において違背是正手続きの審理が行われている。

 
図表 EUの電気通信規制パッケージの概要

図表 EUの電気通信規制パッケージの概要
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2 英国における「電気通信の戦略的見直し」

 英国において、OFCOMが、2004年4月、英国の電気通信市場の長期的な改革の方向性を示す「電気通信の戦略的レビュー」(Strategic Review of Telecommunications)を開始した。2004年11月、二回目の報告書を公表し、その中で、経済的ボトルネックの問題に着目しつつ、新たな規制の原則として、[1]インフラの最深レベルにおける競争の促進、[2]アクセスの実際の平等性の確保、[3]競争条件を踏まえた上での規制の撤廃、[4]投資に適した環境の促進と技術革新の刺激、[5]商品・地域の特性に応じた規制、[6]経済的ボトルネックを解消し得る市場参入の創出、[7]ボトルネック不存在部分の規制の軽減を打ち出した。最終報告書は、2005年夏に公表される予定である。
 また、OFCOMは、2004年11月、「周波数枠組レビュー」(Spectrum Framework Review)報告書を公表し、周波数監理において規制緩和を目指しつつ、[1]免許不要周波数、[2]周波数取引と自由化を導入する周波数、[3]従来のコマンド&コントロール型により監理する周波数に分けて、中期(5年)及び長期(10年)に渡る周波数監理の方向性について意見募集をした。最終報告書は、2005年春又は夏に公表される予定である。
 OFCOMは他に、「公共サービス放送レビュー」(Review of Public Service Television Broadcasting)を実施し、2005年2月に最終報告書が公表された。

 第9節 海外の動向

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