平成17年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(3)公的個人認証サービス

オンライン上の本人確認手段

1 公的個人認証サービスの概要

 インターネット上におけるデジタル文書については、文書作成者の特定が困難、改ざんされても痕跡が残らないといった特有の問題があることから、他人に成りすまされたり、文書の内容を改ざんされたり、送信者に送信を否認されたりするなどの危険性がある。行政手続等のオンライン化を促進し、電子政府・電子自治体を実現するためには、こうした問題を解決する必要があり、平成16年1月、インターネット上において厳格な本人確認ができる公的個人認証サービスの提供が開始された。公的個人認証サービスの電子証明書は、有効期間が3年間、発行手数料が500円となっており、市区町村の窓口で厳格な本人確認を受けた上で、住民基本台帳カード等のICカードに格納され、発行を受けることができる。住民はICカードに格納された秘密鍵を用いて電子署名を行い、電子証明書とともに送信することにより、行政機関等へ厳格な本人確認を伴ったオンライン申請をすることが可能となる(図表[1])。

 
図表[1] 公的個人認証サービス

図表[1] 公的個人認証サービス

 公的個人認証サービスを利用して申請等を行うことができる手続としては、国税の申告や旅券の発給申請等、平成17年4月現在で、国では8省庁、地方公共団体では29都府県及び一部市町村の手続が対象となっているところであり、今後、国及び地方公共団体の各種手続においても、公的個人認証サービスの利用が順次拡大される見込みである(図表[2])。

 
図表[2] 公的個人認証サービスの対象手続

図表[2] 公的個人認証サービスの対象手続

2 公的個人認証サービスの利用・活用の推進

 公的個人認証サービスの利用・活用を推進するため、総務省、関係府省において、以下の(1)〜(6)の施策に重点的に取り組むこととしている。

(1)代理による行政手続等及び添付書類を必要とする行政手続等のオンライン化を促進するため、行政手続等の代理を行う行政書士、司法書士等や行政手続等に必要な添付書類を発行する公証人、医師等の資格者が、連合会等の所属団体を通じて顧客の電子証明書の有効性確認を行うことができるようにするなど、平成17年度末までに制度面の整備を図る。

(2)公的個人認証サービスが場所を問わず、手軽に利用できるよう、平成17年度中に携帯電話端末等による利用を想定したモデルシステムを開発・実証するなど、新たな活用方策を提示する。

(3)e-Govに整備する窓口システムにおいて、平成17年度中に公的個人認証サービスの利用を可能とする機能を実現する。また、同窓口システムの利用に伴う各府省の電子申請システムの見直しについては、原則として平成18(2006)年度末までに対応する。さらに、地方公共団体に対しても必要な支援を行う等その取組を促進する。

(4)特定認証業務を行う金融機関等による口座開設時等の本人確認資料としての公的個人認証サービスによる電子証明書の導入等について平成17年度末までのできる限り早期に結論を得る。

(5)個人事業主等の利用促進に資するよう、電子入札システムにおける公的個人認証サービスの利用を可能とするための方策について検討を行い、平成17年度末までのできる限り早期に結論を得る。

(6)国民年金及び厚生年金の年金加入状況や年金見込額に関する照会について、厳格な本人確認を行いつつ、インターネットによる回答を行うサービスの提供を推進する。なお、本人確認については、公的個人認証サービスを活用することとし、所要の検討を行う。

 第5節 行政・公共分野の情報化の推進

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