平成17年版 情報通信白書

2　人材の育成

情報通信分野の人材育成を促進

　情報通信分野の技術の進歩は著しく、我が国においては、高度の知識や技能を有するICT分野の人材が不足している状況にある。我が国が世界最高水準のICT国家となり、ICTの恩恵を享受できる社会を実現するとともに、国際競争力の維持・向上を図るためには、高度ICT人材を育成することが急務となっている。
　総務省では、情報通信分野の専門的な知識及び技能を有する人材を育成するため、情報通信研修事業を実施する第三セクターや公益法人等に対し助成を行う「情報通信人材研修事業支援制度」を実施するとともに、平成16年度から、不正アクセスやサイバー攻撃等の情報セキュリティ侵害事案に的確に対処できる人材を効果的かつ集中的に育成するため、実践的な研修設備を整備する第三セクター等に対し、その設備整備等に補助を行う「情報通信セキュリティ人材育成センター開設支援事業」を開始した。
　また、平成17年度から、企業等において戦略的情報化等に携わることができるプロジェクトマネージャー、CIO等の高度なレベルのICT人材に必要な能力や、その実践的な育成手法等について産学官連携のもと調査研究し、これらの人材を育成するためのモデル教材を開発する「高度情報通信人材育成プログラムに関する調査・開発」に取り組んでいる（図表）。

　さらに、情報通信分野をはじめ様々な分野の人材育成に資するため、いつでも、どこでも時間や場所を選ばず簡便・効果的に学習ができるような基盤技術を開発する「ユビキタスラーニング基盤の開発・実証」を行うことにより、携帯電話等を利用した新たなeラーニングの普及を促すこととしている。