平成17年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(2)ユビキタスネット社会の実現に向けた利活用技術

ICT利活用の促進によるユビキタスネット社会実現の加速化

 ユビキタスネット社会の実現には、基盤技術の確立とともにそれを発展的に利活用へとつなげる技術が必要とされるところであり、多様な分野へとICT利活用を促進するための研究開発も必要とされている。

1 電子タグの高度利活用

 総務省では、平成16年度から電子タグの属性情報を動的な環境変化に応じて異なるプラットフォーム間で交換するための技術や、電子タグとネットワークを関連付ける技術、電子タグ情報へのアクセス権限を制御する技術の研究開発を実施するとともに、研究開発成果の速やかな実用化を図るため、全国で利用者参加型の実証実験を行っている(図表[1])。

 
図表[1] 電子タグの利用者参加型の実証実験の概要

図表[1] 電子タグの利用者参加型の実証実験の概要

 さらに、消費者のプライバシー保護の観点から適切な措置を講じることにより、電子タグが円滑に社会に受け入れられるようにすることが必要と考え、企業、消費者団体等関係者の協力の下、基本的考え方を取りまとめ、平成16年6月、経済産業省と共同でガイドラインを策定し、公表した。現在、各分野における実証実験等を通じ、当該ガイドラインの実効性を検討しているところであり、必要に応じて、分野ごとのより詳細なルール化を図るとともに、本ガイドラインの修正を行うこととしている。

2 ロボットとユビキタスネットワークの融合

 ユビキタスネットワークが、家庭やオフィスでの利用が期待されるパーソナルロボットや業務用ロボット等とつながる(ネットワークロボット)ことにより、新たなライフスタイルが創出され、高齢化・医療介護問題等の様々な社会的問題への対応が図られることが期待されている。ネットワークロボットの実現の大きな鍵は、ユビキタスネットワークとロボットを結ぶネットワーク技術であり、我が国がネットワークロボット分野で世界を牽引するためには、必要となるコア技術を早急に確立する必要がある。総務省では、平成16年度から、「ネットワークロボットの連携技術」、「人に優しいコミュニケーション技術」等の研究開発を実施している(図表[2])。

 
図表[2] ネットワークロボットに関する研究開発の概要

図表[2] ネットワークロボットに関する研究開発の概要

3 ネットワーク・ヒューマン・インターフェースの研究開発

 情報通信ネットワークの利用が生活・社会・経済に一層浸透し、誰もがネットワークを活用してICTによる恩恵を十分に享受できる社会を構築していくためには、複雑な操作感を感じることなく、安心して安全に情報通信を利用できるようにすることが必要であり、人間とネットワークとのインターフェースの重要性が増している。
 そのため、総務省では、平成15年度からネットワーク・ヒューマン・インターフェースの総合的な研究開発を行い、ネットワークと連携した実用的な携帯型の多言語音声自動翻訳システム、映像コンテンツの光刺激等による生体への影響を防止する技術等について、要素技術の確立を目指した研究開発を推進している(図表[3])。

 
図表[3] ネットワーク・ヒューマン・インターフェースの総合的な研究開発の概要

図表[3] ネットワーク・ヒューマン・インターフェースの総合的な研究開発の概要

 第8節 研究開発の推進

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