平成18年版 情報通信白書

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第1章 ユビキタスエコノミー

3 情報通信が経済成長に与える影響

 情報通信が経済成長に与える効果については、幾つかの側面が存在することが指摘されている23
 第一の効果は、情報通信産業が成長することによる効果、すなわち、情報通信分野で技術革新が生じる結果、情報通信産業に対する需要増加が生じ、これに対応して情報通信産業が成長することにより経済成長がもたらされるという効果である。
 第二の効果は、情報通信資本ストックが深化することによる効果、すなわち、労働の情報通信資本装備率上昇による労働生産性の上昇が経済成長をもたらすという効果である。
 第三の効果は、産業や企業のICT化が進むことで、各産業の生産性が向上することによる効果である。例えば顧客との取引において情報通信の活用が進むことで発注や在庫管理が効率化されるなど、社会経済における様々な分野で情報通信の活用が進展し、長期的に社会経済構造の変革が生じることで生産性が向上し、経済成長の上昇をもたらす。
 以下では、この三つの効果を踏まえ、情報通信が経済成長に与える影響について分析する。なお、結論としては、現状では第一の効果及び第二の効果についてはその効果が認められるものの、第三の効果については現時点ではその効果は、必ずしも明確になっているとは言えない。


23  以下の情報通信技術が生産性に影響を与える要因(経路)については、篠崎(2005)、宮川(2006)を参考にしている

 第1節 情報通信産業の動向

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