平成18年版 情報通信白書

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第1章 ユビキタスエコノミー

第9節 コンテンツ配信をめぐる新しい動き

1 コンテンツ配信の現状

1 コンテンツとロングテール現象

 書籍や音楽、映画、放送番組、ビデオ等のコンテンツは、そのラインナップ数の多さからも明らかなように、多様な需要が存在している。音楽ヒットチャート等を提供しているオリコン社の「オリコンチャート」について、上位500曲の売上枚数1の推移は図表1-9-1のようになる。図表では500位までしか記載されていないが、これ以下、さらに少ない売上げのCDのタイトルが延々と続くことになる。
 
図表1-9-1 上位500曲の売上枚数の推移
図表1-9-1 上位500曲の売上枚数の推移
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 需要の多様化は、社会が成熟するに伴いさらに進展するものと考えられる。同ヒットチャートを例に、この10年間の間、上位100位までの年間累計売上枚数と上位500位までの年間累計売上枚数が全年間生産枚数に占めるシェアが、どのように変化したかを示したのが図表1-9-2である。上位曲の占めるシェアは、基本的には低下する傾向があり、利用者のニーズの多様化が進んでいる可能性を示唆している。
 また、音楽コンテンツや映像コンテンツは、ネットワークを利用してデジタル化されたデータを直接利用者に送り届けることができる。これは、コンテンツ自体が知識や情報といった無形の財であるためであり、物理的な財と比較して、ネットワークによる取引との親和性が高い。
 以上のことは、音楽コンテンツや映像コンテンツの配信サービスにおいては、今後、Web2.0等が進展する環境下において、ロングテールのビジネスモデルが成立しやすいことを示唆している。
 
図表1-9-2 上位100位及び500位の累計売上枚数シェアの推移
図表1-9-2 上位100位及び500位の累計売上枚数シェアの推移
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1  (社)日本レコード協会が発表しているCDシングルの生産枚数と、オリコンのヒットチャート上位曲の年間売上枚数データである

 第9節 コンテンツ配信をめぐる新しい動き

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