平成18年版 情報通信白書

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第1章 ユビキタスエコノミー

4 ICT化と労働需要シフト

 企業内の定型的な業務については、インターネットやパソコンを利用することで減少するといった傾向は見られず、むしろ増えたという回答の方が目立つ結果となった。企画等創意工夫を要する業務や専門業務についても、増えているという回答が多くなっている(図表1-11-13)。
 また、ICT化によって重要となる能力については、役職別に見たところ、一般社員よりも、役職者にとって「情報を活用する能力」が求められている。その背景としては、ICT化の進展には、膨大な情報の中から価値ある情報を見いだし、高度化した情報処理技術を活用しつつ、これに評価や意味を与え、新しい価値やモデルを生み出すという要素の価値を高める面があるためと考えられる19(図表1-11-14)。
 ICT化の進展は、定型的業務を必ずしも減少させるわけではないが、非定型的な労働需要を増加させ、これら労働の価値を更に高める可能性がある20
 
図表1-11-13 パソコンやインターネットによる業務の変化
図表1-11-13 パソコンやインターネットによる業務の変化
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図表1-11-14 情報化によって重要となる能力(役職別)
図表1-11-14 情報化によって重要となる能力(役職別)
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19  厚生労働省(2001)によれば、IT化が進むことで、定型的な仕事の減少、創意工夫の余地の大きい仕事の増加する傾向があるということが報告されている
20  内閣府(2004)においても単純業務は情報化によって代替されやすい一方、人間にしかできない高度な業務は情報化によって必要性が高まるとしている。また、奥林(2003)においては、正社員には創造的で企画力を必要とする仕事が集中するとしている

 第11節 労働経済への影響

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