平成18年版 情報通信白書

本文へジャンプ メニューへジャンプ
トップページへ戻る
操作方法


目次の階層をすべて開く目次の階層をすべて閉じる

第2章 情報通信の現況

4 中国の情報通信政策の動向

 中国の電気通信市場は、年率10%程度の経済成長率以上の発展を10年以上続けている。2005年12月末時点の公式統計では、固定電話が3億5,043万加入、携帯電話が3億9,342万加入(2006年2月末に既に4億加入を突破)、合計で7億4,385万加入に達し、加入数で世界のトップを走っており、毎年1億加入近い伸びを維持している。普及率は3割程度であることから、今後も成長が維持される見込みである。一方、インターネットについては、2005年12月末時点で利用者は1億1,100万加入となっており、世界第2位の規模となっている。このうちブロードバンド利用者が6,430万加入と半分以上を占めている。
 現在の中国の電気通信市場で話題の中心にあるのは、第3世代携帯電話(3G)のライセンスの行方である。2008年の北京五輪時までには3Gが提供されるとの政府高官の発言を踏まえ、現時点では2006年中のライセンス発給が予想されている。ただし、条件やスケジュールについての公式声明はなく、中国標準TD−SCDMA方式ライセンスの今後の扱い、それらに伴う通信事業者の再編等、様々な見方がなされている。
 政策面においては、各種法的整備は進展しているが、電気通信分野の根拠法となる「電信法」の制定はまだ実現に至っていない。電信法制定の議論が行われる一方で、IP電話の規制、農村・都市間の格差是正のための「村村通(各農村への電話普及)」事業推進に向けたユニバーサルサービス基金設立等、新たな課題への検討も着手されている。
 また、ここ数年中国のソフトウェア分野の発展は著しく、2001年の796億元から2005年には3,900億元と4年で約5倍に拡大している。その背景には、経済の急速な成長とともに、2000年以降の中国政府の積極的な政策的取組がある。2000年には、ソフトウェア振興も含む「第10次5か年計画(2001年−2005年)」要綱案がまとめられ、同年、2010年までにソフトウェアの研究開発・生産能力を先進国にキャッチアップすることを目標とした「ソフトウェア産業及びIC産業の発展奨励に関する若干の規定」(「18号令」)が公布された。2001年には「第10次5か年計画」要綱が正式に採択され、2002年には、「18号令」を受けて、2005年までの市場規模、輸出規模、専門技術者数等の具体的目標を定めた「ソフトウェア産業振興アクションプラン(2002年−2005年)」(「47号令」)が公布された。
 最近の動きとしては、2006年3月に、2010年までのガイドラインである「第11次5か年規画(2006年−2010年)」要綱案が全国人民代表大会(全人代)にて策定されている。
 
図表2-6-13 中国における電気通信事業者の変遷
図表2-6-13 中国における電気通信事業者の変遷

 第6節 海外の動向

テキスト形式のファイルはこちら

3 EUの情報通信政策の動向 に戻る 5 韓国の情報通信政策の動向 に進む