平成18年版 情報通信白書

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第2章 情報通信の現況

6 インドの情報通信政策の動向

 現在インドにおける電気通信市場の成長スピードは世界最速と言われている。2006年2月末の固定電話と携帯電話の合計加入者数は、前年同期比約40%増の1億3,400万回線に達し、電話普及率は12.3%となった。そのうち固定電話加入者数は4,945万、携帯電話加入者数は8,488万となっている。2005年における各市場の成長率は固定電話市場が9.0%であり、携帯電話市場は58.1%であった。
 このような電気通信市場の急拡大の背景には、1990年代以降実施されている抜本的な政策推進がある。インドでは、1994年の「国家通信政策(National Telecom Policy)」以降民間事業者の参入が開始され、固定電話市場では現在でもシェアの8割以上を国営事業者のBSNLとMTNLが維持しているが、携帯電話市場では全体の6割以上のシェアを占める3大民間事業者を含む合計13社の事業者により活発な競争が行われている。
 また、現在インドでは2007年末までに電話加入者数を2億5,000万回線まで拡大するという目標の達成に向け、政策的な取組を積極的に展開しており、2005年10月には、電気通信分野に対する外国直接投資(FDI)割合の上限を49%から74%まで引上げることが正式に決定された。これを受けて、Vodafone(イギリス)やMaxis(マレーシア)等世界各国の通信事業者がインドの携帯電話市場に参入する動きを開始した。
 一方、日本の約9倍の国土面積を持つインドは、都市部と郊外の農村部間におけるデジタル・ディバイドが深刻な問題となっている。現在、インフラ不足が農村部における通信サービス展開の支障となっているが、10億人超の人口の約7割は農村部に居住しており、今後、同エリアでの取組を強化することが必要不可欠となっている。
 2006年以降、携帯電話市場では、3Gサービスの開始が予定され、更なる成長が予想される。また、インド政府は次世代ネットワークの構築等の検討に着手するなど、ブロードバンド・サービスの発展のための環境整備に積極的に取り組んでいる。

 第6節 海外の動向

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