平成18年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(5)UWB(Ultra Wide Band:超広帯域)無線システム

UWB無線システムに関する検討

 近年、オフィスや家庭内において、事務の効率化や生活の利便性向上のため、様々な機器に通信機能が搭載されつつあり、これらの機器間でワイヤレスを用いて大容量のデータを高速に伝送できる手段の一つとして、非常に広い周波数幅にわたって電力を拡散させるUWB無線システムが注目されている。
 UWB無線システムは、伝送距離が10m程度以下と短いものの、伝送速度が最大数百Mbps程度であることから、特に、パソコン周辺機器間における「高速ファイル転送」2やAV機器間における「ストリーミング伝送」3といった利用シーンにおいて、既存の無線システムでは実現できなかった大容量データを小電力で伝送することが可能となる。
 国際的には、米国が2002年2月に制度化し、欧州においても導入に向けた検討が行われており、2006年中に制度化が行われる予定である。
 我が国では、情報通信審議会において、UWB無線システムの利用環境、他の無線システムの運用形態、国内の利用者のニーズ、国際的な検討動向等を踏まえつつ、UWB無線システムの技術的条件について検討がなされた結果、平成18年3月にマイクロ波帯を用いた通信用途のUWB無線システムの技術的条件について一部答申を受けたところである。総務省では、同一部答申を踏まえ、速やかに関係省令等の改正を行う予定である。
 
図表3-3-5 高速ファイル転送の利用イメージ
図表3-3-5 高速ファイル転送の利用イメージ
 
図表3-3-6 ストリーミング伝送の利用イメージ
図表3-3-6 ストリーミング伝送の利用イメージ


2  伝送距離は短いものの、数百Mbps程度の高速伝送が可能なことから、既存の無線システムでは実現できなかった、パソコン周辺機器間の大容量データ伝送が短時間で可能となる
3  広帯域にわたり低消費電力で数百Mbps規模のデータを伝送できるUWB無線システムの特徴を活かすことにより、壁掛けTVディスプレイに画像を伝送しながら、ワイヤレススピーカーに音声を伝送することも実現可能となる

 第3節 情報通信ネットワークの高度化

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