(3)ケーブルテレビの高度化  我が国のケーブルテレビは、発足から50年が経過し、最近では多チャンネル放送、地域に密着したコミュニティチャンネルに加え、インターネットサービス、IP電話等をはじめとした新しいサービスを提供する事業者も現れている。その加入世帯数は約1,838万世帯、全国世帯の約37%(平成17年9月末)にも上っており、ケーブルテレビは地域に密着した重要な情報通信基盤の一つとして、順調な発展を遂げてきているところである。  しかしながら、ケーブルテレビを取り巻く環境は、ICT分野の急速な技術革新やブロードバンドの普及を背景として、昨今著しく変化しているところである。  こうした状況を踏まえ、次のような取組が進んでいる。 1 地上放送のデジタル化への対応 (1)ケーブルテレビにおける地上デジタル放送の対応状況  ケーブルテレビによる地上デジタル放送の普及は、全国における地上デジタル放送波の放送開始に合わせて拡大してきている。(社)日本ケーブルテレビ連盟がケーブルテレビ事業者に対して調査した「地上デジタル放送再送信アンケート」の結果によると、平成17年12月末におけるケーブルテレビでの地上デジタル放送視聴可能世帯数は、約1,230万世帯となっている。 図表3-3-14 地上放送のデジタル化への対応 (2)FTTH等によるケーブルテレビネットワークのための省令改正  ケーブルテレビネットワークの高度化が進む中、FTTH等を採用する事業者が出現してきたことを踏まえ、光に特有な伝送路特性や放送と通信の一体的サービスの円滑な提供などを可能とするため、光ファイバケーブルを主体としたケーブルテレビネットワークに必要な規定の整備を行うべく、情報通信審議会に対して「有線テレビジョン放送法施行規則の一部改正について」を平成17年10月26日に諮問し、同日付で一部改正案を適当とする答申を受けた。  総務省では、同答申を踏まえ、有線テレビジョン放送法施行規則の一部改正を行った(平成17年11月21日公布、同年12月1日施行)(図表3-3-16)。 図表3-3-16 FTTH等によるケーブルテレビネットワークのための省令改正 3 ケーブルテレビ政策に関する調査研究 ・2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会の開催  ケーブルテレビを取り巻く環境は、放送のデジタル化、ブロードバンド化の進展による通信事業者等との競争の激化など、昨今著しく変化しており、対応すべき課題が顕在化しつつある状況にある。  このため、総務省では、平成18年2月から、「2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会」を開催し、平成22年以降を見据えたケーブルテレビの在り方、今後の課題の整理及びケーブルテレビの発展に向けた総合的方策の議論を行っており、平成19年3月を目途に取りまとめを行う予定である。 図表3-3-17 2010年代のケーブルテレビの在り方に関する研究会について