平成19年版 情報通信白書

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第1章 ユビキタスエコノミーの進展とグローバル展開

4 情報通信関連需要(消費・投資・輸出)から見た日本経済の動向

(1)情報通信関連内需から見た我が国経済の動向

ア 我が国の経済成長の動向
 我が国の実質GDP成長率は、平成13年後半から平成14年にかけて前年同期比でマイナスとなったものの、それ以降は一貫してプラスとなっている。実質GDPは順調に拡大しており、我が国の経済は「いざなぎ景気」を超える戦後最長の景気回復が続いている20(図表1-1-38)。さらに実質GDP成長率に対する寄与度を内需、外需に分けて見ると、平成13年にかけては外需が、その後、平成13年後半から平成14年前半にかけては内需が、それぞれマイナスに寄与していたものの、平成14年後半以降は内需、外需の寄与度ともに前年比でプラスとなっており、特に平成16年から平成17年にかけては内需の寄与度の高まりが確認される。
 
図表1-1-38 実質GDP成長率に対する内需・外需の寄与度
図表1-1-38 実質GDP成長率に対する内需・外需の寄与度
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 そこで、我が国の経済成長に情報通信関連内需がどの程度寄与しているかを消費、投資に着目して分析してみる。
イ 情報通信関連消費から見た我が国経済の動向
 消費支出に対する情報通信関連の消費の寄与度を見ると、平成13年以降ほとんどの期で情報通信関連の消費はプラスの寄与となっていることが分かる。
 項目別に見ると、平成13年から平成15年には移動電話通信料、平成14年から平成16年にはインターネット接続料の寄与度が大きかった21。その後、移動電話通信料、インターネット接続料の寄与度の伸びは頭打ちとなったが、代わりに平成17年には情報通信関連機器の寄与度が増加したほか、平成17年以降は移動電話通信料の寄与度が再び増加している(図表1-1-39)。
 
図表1-1-39 消費支出に対する情報通信関連消費の項目別寄与度
図表1-1-39 消費支出に対する情報通信関連消費の項目別寄与度
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ウ 情報通信関連投資から見た我が国経済の動向
 企業の設備投資に対する情報通信関連投資の寄与度を見るために、企業の設備投資の先行指標である機械受注を見ると、機械受注合計に対する情報通信関連機械受注の寄与度は、平成15年から平成18年前半までほとんどの期で連続してプラスに寄与しており、平成15年以降、情報通信関連投資が投資全体の増加に寄与してきたことが分かる。
 項目別に見ると、平成15年及び平成17年後半から平成18年前半にかけては通信機が、直近では半導体製造装置の寄与度が大きいことが分かる(図表1-1-40)。
 
図表1-1-40 機械受注合計に対する情報通信関連機械受注の項目別寄与度
図表1-1-40 機械受注合計に対する情報通信関連機械受注の項目別寄与度
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 以上より、情報通信関連の消費及び投資と経済成長の関係としては、まず、日本の実質GDP成長率に対する消費及び投資の寄与度は高まっており、情報通信関連消費については平成13年以降ほとんどの期で消費支出に対してプラスに寄与している。また、情報通信関連投資についても平成15年以降、投資全体の増加に寄与してきたことが確認された。
 我が国の経済は長期の景気拡大局面にあり、この経済成長を内需の堅調な伸びが支えてきたが、その中でも、情報通信関連の消費と投資が重要な役割を果たしてきたことが分かる。


20 月例経済報告の基調判断における回復期間を示した期間であり、政府として景気拡張期間を公式に示したものではない。正確な景気拡張期間を確認するには、内閣府経済社会総合研究所で開催する景気動向指数研究会による今回の景気循環の景気基準日付の設定を待たねばならない
21 ただし、平成14年と平成17年は調査項目が変更された影響を含んでいることに注意。特に平成14年はインターネット接続料等が加わった(前年の値がゼロ)影響で、情報通信関連消費の寄与度は大きくなっている。しかし、この影響を除いても寄与度はプラスとなっている

 第1節 情報通信と経済成長

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