平成19年版 情報通信白書

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第1章 ユビキタスエコノミーの進展とグローバル展開

(2)情報通信関連外需から見た我が国経済の動向

ア 情報通信関連輸出における輸出先から見た我が国経済の動向
 日本の輸出の傾向を見ると、米国向け輸出は平成15年に落ち込みが見られたものの、その後回復し平成18年は17兆円近くまで伸びている。また、中国向け輸出は平成11年の5.2兆円から平成18年には15兆円まで一貫して伸びているほか、中国を除くアジア向け輸出についても平成13年の11.1兆円から平成18年には17.2兆円まで増加している(図表1-1-41)。
 
図表1-1-41 輸出総額の国別・地域別推移
図表1-1-41 輸出総額の国別・地域別推移
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 また、情報通信関連輸出を見ると、平成12年には4兆円であった米国向け情報通信関連輸出は平成18年には2.6兆円程度と35%程度減少し、増加傾向にある米国向けの輸出総額とは対照的な動きをしている。しかしながら、中国向け情報通信関連輸出は平成11年以降急激に伸びており、平成11年の1.2兆円から平成18年には3.6兆円へと3倍近く増加した。また、平成13年には3.2兆円であった中国を除くアジア向け情報通信関連輸出も、平成18年には3.8兆円まで伸びており、中国及びアジア向け情報通信関連輸出は、同地域向けの輸出総額と類似の動きをしている(図表1-1-42)。
 
図表1-1-42 情報通信関連輸出額の国別・地域別推移
図表1-1-42 情報通信関連輸出額の国別・地域別推移
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イ 情報通信関連輸出品目から見た貿易構造の変化
 輸出総額に対する情報通信関連輸出額の推移を品目別に見ると、米国向け輸出については、平成9年には1兆円強であった電算機類が、平成18年には約3,600億円と1/3程度まで減少している。また、科学光学機器や半導体等電子部品についても平成13年から平成15年にかけて減少していたが、近年は横ばい傾向にある(図表1-1-43)。
 
図表1-1-43 米国向け情報通信関連輸出額(品目別)
図表1-1-43 米国向け情報通信関連輸出額(品目別)
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 一方、中国向け輸出を見ると、半導体等電子部品及び音響・映像機器の部分品といった中間財の増加が著しい。半導体等電子部品は、平成10年には5,300億円程度であったが平成18年には1兆7,000億円と3倍以上も増加している。また、音響・映像機器の部分品も一貫して増加しており、平成9年の930億円から平成18年には5,660億円へと6倍以上の伸びを見せている(図表1-1-44)。
 
図表1-1-44 中国向け情報通信関連輸出額(品目別)
図表1-1-44 中国向け情報通信関連輸出額(品目別)
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 また、アジア向け輸出においては、以前から半導体等電子部品の額が大きく、平成13年に落ち込みが見られたものの、その後順調に回復しており増加傾向を示している(図表1-1-45)。
 
図表1-1-45 アジア向け情報通信関連輸出額(品目別)
図表1-1-45 アジア向け情報通信関連輸出額(品目別)
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 これらのことから、日本の情報通信産業は、これまで電算機類や通信機等の最終財を中心に輸出してきたが、近年はその比重が低下し、代わって半導体等電子部品や音響・映像機器の部分品といった中間財を輸出する貿易構造へと移行しつつあることが分かる。また、輸出先についても、従来は米国中心であったが、近年はアジア、とりわけ中国が重要な輸出相手国となっている。
 こうした要因としては、中国をはじめとするアジア市場の急速な成長のほか、国際的な情報通信ネットワークの進展等に伴う企業活動のグローバル化を背景とし、人件費等のコスト削減や製品のモジュール化を踏まえた製造プロセスの外部化等に向けた国際分業体制の確立の動きが活発化していることが考えられる。

 第1節 情報通信と経済成長

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