平成19年版 情報通信白書

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第3章 情報通信政策の動向

(3)視聴覚障害者向け放送の普及促進

 字幕番組(音声の内容を聴覚障害者に説明するための文字が付加されたテレビジョン番組)及び解説番組(画面の内容を視覚障害者に対して説明するための音声が付加されたテレビジョン番組)は、聴覚障害者及び視覚障害者がテレビジョン放送を通じて円滑に情報を入手することを可能とするものであることから、「身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の増進に関する法律」(平成5年法律第134号)に基づき、総務省では、それらを制作する者に対し、その制作費の一部について助成を行っている。
 また、平成9年には、放送法の改正が行われ、字幕番組・解説番組をできる限り多く放送するようにしなければならないこととする放送努力義務が規定され、郵政省(現総務省)は、その改正の趣旨を踏まえて「平成19年までに新たに放送する字幕付与可能なすべての放送番組に字幕を付す」ことを目標とする字幕放送の普及目標を策定した。これを受けて、NHK及び民放キー局等がそれぞれ字幕拡充計画を作成しており、NHKが平成18年度までに100%、民放キー局が平成19年度までに80〜90%に字幕を付すこととしている。総務省では、各放送事業者の字幕放送等の進ちょく状況の把握・公表等を行うことで自主的な取組を促進しており、平成17年度の字幕付与可能な放送時間に占める字幕放送時間の割合は、NHK(総合)では98.2%、民放キー5局平均では65.9%となっている(図表3-4-3)。
 
図表3-4-2 デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会報告書概要
図表3-4-2 デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会報告書概要
 
図表3-4-3 字幕付与可能な放送時間に占める字幕放送時間の割合の推移
図表3-4-3 字幕付与可能な放送時間に占める字幕放送時間の割合の推移
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 今後、放送のデジタル化の進展、高齢化の進展、字幕放送受信可能な端末の普及により、視聴覚障害者向け放送番組の利用者が増加すると予想されることから、総務省では、平成18年10月から、「デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する研究会」を開催し、同研究会は平成19年3月に報告書を取りまとめた。この報告書では、今後の視聴覚障害者向け放送の推進に当たっての提言として、平成20年度以降の普及目標については字幕付与可能な放送番組を拡大しつつ策定することや、解説放送の普及目標を新たに策定すること、視聴覚障害者向け放送番組制作促進のための助成金の拡充について検討すること、関係者が定期的に集まって意見交換を行う場を設置すること等が盛り込まれた。

 第4節 豊かで活力あるユビキタスネット社会の構築

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