平成20年版 情報通信白書

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第1章 活力あるユビキタスネット社会の実現

(3)世帯における情報通信の地域別利用状況

 平成19年末の世帯における情報通信の利用状況について、全国を北海道、東北、北関東、南関東、北陸、甲信越、東海、近畿、中国、四国、九州・沖縄の11の地域に分けて地域間格差の現状について見てみる8(図表1-1-2-1、図表1-1-2-2)。
 
図表1-1-2-1 世帯における情報通信の地域別利用状況(平成19年)
図表1-1-2-1 世帯における情報通信の地域別利用状況(平成19年)
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図表1-1-2-2 世帯における情報通信の地域別利用状況比較(平成19年)
図表1-1-2-2 世帯における情報通信の地域別利用状況比較(平成19年)
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ア 情報通信機器の保有状況
 携帯電話・PHSは、11地域すべてにおいて保有率が9割近くに上っており、地域を問わず広く普及していることが分かる。特に、北陸では99.4%、南関東では98.4%、東北では97.0%と非常に高くなっている。
 パソコンについては、全体として比較的高い保有率となっている。北陸で94.1%、南関東で90.0%と9割以上であり、保有率の低い四国でも72.8%、九州・沖縄で76.9%であった。

イ 情報通信サービスの利用状況
 インターネットは、11地域すべてにおいて利用率が8割を越えており、地域にかかわらず広く普及しているといえる。中でも最も高い地域は、北陸で96.0%、次いで南関東で95.7%、東海で93.7%となっている。最も低い地域は四国で81.6%であった。
 ブロードバンド9利用率は、地域ごとに比較的大きな差が見られる。最も高い地域は、北陸で73.4%、次いで近畿で63.7%、南関東で57.7%となっている。逆に低い地域は、東北で32.8%、四国で36.8%、甲信越で39.4%で、最も高い北陸と最も低い東北との差は、40.6ポイントに上る。北陸は、インターネット利用率、ブロードバンド利用率が共に全国で最も高く、ブロードバンドでのインターネット利用が全国で最も進んでいる地域であるといえる。
 IP電話の利用率は、全体的にまだ低い値にとどまっているが、その中でも地域間でかなり差が見られる。最も高い地域は、近畿で29.2%、次いで南関東で21.2%、逆に低い地域は、中国の11.3%、九州・沖縄の11.9%であり、現時点では、近畿圏、首都圏を中心に利用が広がりつつあるものの、それ以外の地域においてはまだそれほど利用が進展していない段階であるといえる。

ウ 放送サービスの利用状況
 地上デジタル放送の視聴率は、南関東で38.0%、近畿で31.7%、東海で29.9%と比較的高い一方、四国では20.5%、甲信越は26.2%、中国では26.4%等と低くなっている。地上デジタル放送は、三大都市圏からサービス提供が開始されたこともあり、これらの地域における視聴率が高い傾向にあると考えられる。今後、放送エリアが順次拡大されていくに従い、地方間格差は縮小していくと予想される。
 ケーブルテレビの視聴率は、地域間でかなり差が見られる。とりわけ、北陸が他の地域に比べて飛び抜けて高く62.7%であった。一方、東北では11.2%、北海道では14.9%、北関東では15.4%と低い値にとどまっている。
 衛星放送の視聴率については、最も高い地域は、北陸で59.2%、次いで中国で54.2%、東北で53.4%となっている。最も低い地域は、北海道の39.6%で、唯一3割台であった。北陸において衛星放送の視聴率が高い理由は、ケーブルテレビの視聴率が全国で最も高いことから、ケーブルテレビを経由して衛星放送を視聴している世帯の割合が高いためではないかと考えられる。


8 地域区分の分け方の詳細については、付注4を参照
9 ケーブルテレビ回線(CATV回線)、固定無線回線(FWA)、第3世代携帯電話回線、光回線(FTTH)、DSL回線を含む

 第1節 情報通信による地域経済の活性化

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