平成20年版 情報通信白書

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第1章 活力あるユビキタスネット社会の実現

2 ユビキタスネット社会におけるメディアと情報

(1)メディア利用の現状

 ユビキタスネットワークの進展により、いつでも、どこでも、誰でも多くの情報に容易にアクセスできるようになった。そして、情報がネットワーク化され、それらを伝えるメディアが多様化することによって、日常生活の中でやり取りされる情報の量、質、また人々の情報接触にも変化が表れていると考えられる。一度に大量の情報を不特定多数に伝達するマスメディアに加えて、特定の人と情報のやり取りをするパーソナルメディア、さらに、インターネットのように、不特定多数にも特定の人のみにも情報を伝えることのできる新たな形態のメディアも定着しつつあり、国民生活におけるメディア利用は、性別、年代別、所得別等それぞれの属性に沿った多様なものになってきていると考えられる。
 そこで、以下では、人々が日常生活の中でよく利用すると考えられるメディアとして、「テレビ」、「新聞」、「雑誌・書籍」、「ラジオ」、「パソコンのウェブサイト・電子メール(以下「パソコン」という。)」、「携帯電話のウェブサイト・電子メール(以下「携帯電話」という。)」の六つを取り上げ、国民全体のメディア利用の現状に加えて、国民全体を若年層、勤労者層、家庭生活者層及び高齢者層に分類し2、世代ごとに比較しそれぞれの特性を見ることにする(図表1-3-2-1)。
 
図表1-3-2-1 メディア利用機会と1日当たり平均利用時間
図表1-3-2-1 メディア利用機会と1日当たり平均利用時間
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 テレビでは、全世代で「ほとんど毎日利用」との回答が9割程度に上り、日常的によく利用されているメディアであることが分かる。1日当たりの平均利用時間を見ると、高齢者層で240.0分、家庭生活者層で215.4分と長くなっている。テレビは在宅時に利用することが多いと想定されることから、在宅時間が長い世代ほどテレビの利用時間も長くなっていることが分かる。
 新聞は、回答者全体としては「ほとんど毎日利用」との回答が8割を超えている。しかしながら、世代別に見ると、若年層の利用機会は他の世代よりも低く、「ほとんど毎日利用」は44.9%と半数以下であった一方、「利用していない」が10.2%を占めており、若年層での新聞離れが進んでいることがうかがえる。1日当たりの平均利用時間を見ると、若年層では14.2分と最も短い。最も長いのは高齢者層で44.8分、次いで家庭生活者層で31.5分となっている。
 雑誌・書籍については、高齢者層の利用頻度が若干低い傾向にあるものの、世代ごとに大きな差異は見られない。1日当たりの平均利用時間についても世代間で大きな差はなく、30分前後となっている。
 ラジオは、回答者全体では「ほとんど毎日利用」との回答が30.2%であった。しかしながら、若年層で特に利用機会が低く、「ほとんど毎日利用」は14.3%である一方、「月に1回未満の利用」と「利用していない」の回答を合わせると59.2%に上っている。
 パソコンについては、回答者全体では「ほとんど毎日利用」の回答が51.8%と半数を超えている。特に、若年層、勤労者層で「ほとんど毎日利用」との回答が全体平均よりも多く、若年層では「ほとんど毎日利用」が69.5%を占めている。一方で、高齢者層では、同回答は28.8%と低く、代わりに「利用していない」との回答が40.6%と高くなった。1日当たりの平均利用時間を見ると、若年層が突出して長く103.3分となっているが、その他の世代においては大きな差はなく、70分前後であった。若年層は、ほとんど毎日利用する割合が高く、かつ1日当たりの平均利用時間が長いことから、日常生活の中でパソコンを多用していることが分かる。
 携帯電話では、回答者全体では、「ほとんど毎日利用」との回答が36.0%であった。特に、若年層において「ほとんど毎日利用」との回答が多く65.3%となった。逆に、高齢者層は、「ほとんど毎日利用」の回答は11.4%と少なく、「利用していない」が64.0%と高くなった。1日当たりの平均利用時間を見ると、パソコンと同様、若年層の利用時間が42.5分と突出して長く、その他の世代は10分強から20分弱の間であった。若年層では、携帯電話がコミュニケーションツールとして定着しつつあること、また、着うたや着メロといった音楽視聴や、オンラインゲームをはじめとする様々なコンテンツの利用が多いこと等が長時間利用の背景にあると考えられる。


2 若年層は20〜29歳の学生、無職及びパート・アルバイト、勤労者層は20歳以上の会社員・自営業、家庭生活者層は20〜64歳の主婦と30〜64歳の無職及びパート・アルバイト、高齢者層は65歳以上(勤労者を除く)として分類した。調査の詳細については、付注8を参照

 第3節 ユビキタス化がもたらす新たな国民生活

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