平成20年版 情報通信白書

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第1章 活力あるユビキタスネット社会の実現

コラム ブログのコンテンツ量の推計

 ウェブログ、いわゆるブログは、簡単に個人のウェブページを作成することができるだけでなく1、発信された記事2に対して閲覧者がコメントすることや、トラックバック機能によって閲覧者自身のブログへのリンクを作成することが可能な双方向型のCGM(消費者発信型メディア)としての利用が拡 大している。

(1)ブログコンテンツ量の推計
 2008年1月現在でインターネット上に公開されている国内ブログの総数は、約1,690万、記事総数は、約13億5,000万件、データ総量は、約42テラバイトであった3(図表1)。画像・動画ファイル等のデータ量を除いたテキスト情報のみのデータ量は、約12テラバイトであり、このデータ量は、書籍1冊の原稿の情報量の約2,700万冊分に相当する4
 
図表1 ブログ総数、記事総数、データ総量の推計(2008年1月現在)
図表1 ブログ総数、記事総数、データ総量の推計(2008年1月現在)
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 国内のブログのうち、1箇月に1回以上、記事が更新されているアクティブブログは、ブログ総数の約2割に相当する約300万と推計される。
 なお、これらのインターネット上に現存するブログのほかに、過去に開設され、既に削除済みのものを含めた累計では、ブログ総数は約2,240万、記事総数は、約17億9,000万件、データ総量は、約54テラバイトとなっている。
 ブログ数の推移を見ると、2004年から2005年にかけて急増し、2006年1月に1,000万に達した後も緩やかに増加していることが分かる(図表2)。
 
図表2 国内のブログ数の推移の推計
図表2 国内のブログ数の推移の推計
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(2)新規開設ブログ等の推移の推計
 新規に開設されたブログ数の推移を見ると、主要なブログサービスが開始された2003年から急速に増加し、アルファブロガーの登場によるブログの認知度の向上等もあいまって2005年には月間60万を超えた。その後、新規ブログ開設数は、いったん月間40万前後まで減少したものの、2007年からは40万から50万で推移している(図表3)。
 
図表3 各月の新規開設ブログ数の推移の推計
図表3 各月の新規開設ブログ数の推移の推計
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 一方、毎月1回以上の継続的な更新が行われているアクティブブログ数の推移を見ると、2003年から2005年にかけ300万程度まで急増したが、その後は、ほぼ横ばいで推移している。これは、新規にブログが開設される一方で、更新されなくなった既設ブログも多いことを示している(図表4)。
 
図表4 各月におけるアクティブブログ数の推移の推計
図表4 各月におけるアクティブブログ数の推移の推計
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(3)スパムブログの概況
 近年、検索エンジンからのアクセスを増やすために、様々なキーワードを大量に埋め込んだ広告誘導のブログや、他のブログから掲載内容をコピーして使用するブログが増加しており、これらについては、いわゆる「スパムブログ」と呼ばれている。
 アクティブブログにおけるスパムブログの割合を調査したところ5、ブログ数では、約1割が該当するとともに、記事数では、約3割がスパム記事であると見られる。なお、スパムブログの割合については、ブログサービス事業者が提供するブログサイト間でも差が見られた。
 スパムブログの内容としては、販売誘導(38.3%)、アフィリエイト収入(17.1%)、アダルト・出会い系サイトへの誘導(7.0%)を意図したものが見られる(図表5)。
 
図表5 スパムブログの内容
図表5 スパムブログの内容
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1 ブログサービス事業者の提供するブログサイト上の投稿フォーム等を使ってユーザーが簡単な手順で文章や画像・動画ファイル等をアップロードでき、システムがそれらをレイアウトしたHTMLファイルを生成し表示する仕組みとなっている
2 1回の投稿で生成されるコンテンツの単位を「記事」という
3 クローラー(リンクをたどってウェブコンテンツにアクセスし、各コンテンツの情報を自動収集するシステム)とアンケート調査を併用した推計手法により試算。詳細については付注9参照
4 書籍1冊の平均ページ数を260ページ、1ページ当たり平均文字数を900文字、1文字2バイトとして算出した書籍1冊当たりのデータ量457キロバイトで換算
5 2008年1月現在のアクティブブログについて調査を行った。調査概要については付注9参照

 第3節 ユビキタス化がもたらす新たな国民生活

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